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「ミルクを飲んだ、鳴き声を上げたと、日本中でニュースになる。パンダの赤ちゃんが生まれると“ロイヤルベビー”のような扱いになるほど、人気者なんだよなぁ」

 

そう語るのはアンタッチャブルの柴田英嗣(41)。動物に関する本を出版したり、テレビでは“動物芸人”として出演する無類の動物好きだ。12日、上野動物園でジャイアントパンダのシンシン(12)が出産。5年ぶりの“慶事”に、日本中がわいている。でも、パンダってなんでそんなに人気なんだろう?理由を探ってみると、あまりにかわいすぎる生態が明らかになった!

 

【1】発情期は3日だけ!困難すぎる繁殖

 

生態科学研究機構の理事長で、上野動物園に勤務経験もある新宅広二さんはこう語る。

 

「1週間に1回発情期が来るネズミと真逆で、パンダのメスの発情期は1年のうち春の3日間。そのわずかな期間にオスの気持ちが盛り上がらなければ交尾はできませんから、繁殖がとても難しいのです」

 

パンダの繁殖はタイミングが命。今回生まれた赤ちゃんも、いかに貴重な存在なのかがわかるだろう。だが−−。

 

「同じくパンダ園として有名な和歌山県の『アドベンチャーワールド』では、驚異的な繁殖能力を持つ『永明(エイメイ)』というオスパンダのおかげで、奇跡的にも15年間で15頭の赤ちゃんが生まれているんです」

 

【2】半日食事、半日睡眠。とにかく食っちゃ寝

 

「パンダはとにかく竹を食っているか寝ているだけ。でも残念すぎるのが、パンダは竹の栄養のうち20%しか吸収できない。竹はもともと栄養が少ないにもかかわらずです。だから、ムダなカロリーを消費しないように、あとは寝ているだけ。メタボ体質ですよ、ホントは!」(柴田)

 

【3】パンダの初来日は、およそ1,300年前!?

 

一般的に、パンダが初めて日本に来たとされているのは、’72年。カンカンとランランの大フィーバーだ。しかし、西暦685年に《日本の天武天皇に白熊(パンダ)のつがいを贈る》という文献が中国に残っている。さかのぼることおよそ1,300年、飛鳥時代にパンダが日本に来ていた可能性があるのだ。

 

現在の日本には、それを裏付ける資料がないが、大のパンダ好きとして知られる黒柳徹子(83)は、かつて、《飛鳥の里にパンダの姿、なんて、想像するだけでも楽しいと思いません?》と、新聞に寄稿し、情報提供を呼びかけていた。

 

【4】あおむけで寝るのは野生動物でパンダだけ!

 

「野生動物は、天敵にいつ狙われるかわからないため、寝るときも、弱点になる腹部を隠すもの。しかし、パンダは生息地に天敵がいないため、おなか丸出しの無防備な姿勢でねています」

 

野生動物としては“ありえない”、と柴田も新宅さんも口をそろえて言う。

 

「赤ちゃんがあんなに小さいのも、そんなかわいい格好で寝られるのも天敵がいないから。自然界から、愛されすぎだろ!」(柴田)

 

【5】上野ならではの“パンダフィーバー”

 

前述の「アドベンチャーワールド」と比べて、圧倒的な盛り上がりを見せている上野動物園でのパンダ誕生。関西大学の宮本勝浩名誉教授に算出してもらうと、その経済効果は267億円にものぼる。

 

「上野の特徴は、やはり動物園周辺の商店街。“祝賀ムード”で飲食費やお土産、グッズ代などで稼ぎまくるでしょう。また、パンダファンが全国から東京観光にやってきて宿泊することもありますから、東京への波及効果が大きいのです」(宮本名誉教授)

 

本当のパンダの姿は、鋭い牙や爪をもつ肉食動物だと語る柴田。でも、おなか丸出しで寝るかわいさは、いくらなんでもズルすぎる!

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