うつを予防する5つの独りごと

「私が面談するうつ患者さんの6割が、専業主婦。主婦は子育てや介護、またママ友・実家など身近な人間関係でストレスを感じる人が多いんですね」

 

と話すのは、臨床心理士の倉成央さん。『うつにならない言葉の使い方』の著者である倉成さんは、企業・クリニックを含め、今まで千人以上と面談をしてきた。

 

「育児や介護のストレスを溜め込み、閉塞感を感じていても、その感情を発散できない主婦がとても多いのです。その状態が、深刻なうつ病を引き起こします。ストレス発散として、いちばん簡単なのは、感情を吐き出す言葉を声に出して言うこと。日常的に口にして、ストレスを溜めにくい状態に導いていけば、うつ病にかかりにくい体質になれます」

 

倉成さんが、うつを予防する独り言⑤を教えてくれた!

1、「むかつく!」

「子育てに協力してくれない、努力しているのに理解してくれない……と、夫や家族に憤りを感じるときは、1人のとき『むかつく!』『なんでわかってくれないの!』と声に出してつぶやいて。実際に夫など人に向かって言うのではなく一人でこっそりやりましょう」(倉成さん)

その際、新聞紙や雑誌を丸めて机や床を叩きながらやると、よりスッキリするという。

 

2、「私は○○が嫌い!」

苦手な姑、嫌いなご近所さんやママ友に、「相手も悪気がある訳ではないし……」と、イヤという気持ちを感じる自分が責めるのも、大間違いなのだという。

「相手を嫌いと思っている、そんな自分を認めてあげて。嫌いな相手の名前を入れて、『私は○○が嫌い、○○が嫌いでいい』と声に出しましょう。嫌いという自分の気持ちを大切にすると、相手の言動は変わっていないのに、自然と『こういう人だから』と割り切れて、自分が楽になりますよ」(倉成さん)

 

3、「これが私のいいところ」

他人からの面倒な頼まれごとを断れないタイプの人も、うつになる危険性が高いという。

「『はっきり言えない、断れない自分がダメなんだ』など、責める矛先を自分に向けてしまう傾向があります。しかし、はっきり言えないのは、人に対して思いやりがあるからで、断れないのも気遣いできるということ。全ての物事をネガティブに捉えず、『これが私のいいところ』と自分を褒めてあげてください。本当にいいところなのですから!」(倉成さん)

 

4、(鏡の前で)「ちゃんとできなくてもいいんだよ」

真面目で責任感が強いと、自分を追い詰めてしまうことも。

「鏡の前で、『ちゃんとできなくていいんだよ』『たまには弱くてもいいよ』と自分に言ってあげましょう。私は多くの患者さんを診てきましたが、強く見せようとする人はいても、本当に強い人はいませんでした。誰だってできないこと、弱いところがあっていいのです」(倉成さん)

 

5、「面白い! 楽しい! 美味しい! 嬉しい! 気持ちいい!」

「ストレスで、心の余裕を失っているときこそプラス感情を言葉で確認しましょう。ポジティブな言葉に引っ張られて、自然と気持ちが明るくなり、プラスの感情を吐き出すことで、周りもハッピーになりますよ!」(倉成さん)

早速、声に出してみよう!

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