「抗生物質を飲んでも風邪はほとんど治らない」と専門家

くしゃみが、席が、鼻水が、いつまでも止まらない原因。それは、あなたが昔から知っている風邪の常識が間違っているからかも!? そこで、筑波大学附属病院の加藤士郎教授に、新たな風邪の常識を語ってもらいました。これで今年の冬は快適に過ごしましょう!

「抗生物質を飲むと風邪の治りが早い」というのは、ウソです。風邪の原因は大きく分けてウイルス性と細菌性のものがあります。そのうち約90%がウイルス感染なのですが、抗生物質は細菌感染には効いてもウイルス感染には効かないのです。

風邪というだけですぐに抗生物質を処方する医師もいます。しかし抗生物質を使うのは黄色い痰や緑の痰が出る重症の細菌感染のときだけ。通常の風邪はほとんどがウイルス感染なので、抗生物質を使用しても意味がありません。

そもそも風邪はおもにウイルス感染による呼吸器系の急性炎症の総称。西洋医学的には、風邪は『風邪症候群』が正式名称だそうです。一口に風邪といってもウイルスの種類は200以上といわれ、症状もさまざま。

そのため、西洋医学では総合的な風邪薬といったものはありません。あくまでも個々の症状を緩和させるための薬剤です。しかし、漢方薬のなかには葛根湯などの抗ウイルス剤があるので、現在の風邪の治療は西洋薬と漢方薬を併用して行うのが効果的でしょう。

 

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