大地震でも「日本で一番最後まで生き残る街」の実態

4月18日、東京都防災会議が、東京湾北部を震源とする『首都直下型地震』の被害を、新たに死者最大9千700人と想定した。しかし、迫りくる大地震は首都直下型だけではない。今や日本は東海、東南海、南海のM8級の巨大地震がいつ起きてもおかしくない状況なのだ。

だが、「国内には地震のリスクの少ない、安全で生活しやすい場所は、まだある」と語るのは、災害危機コンサルタントの堀越謙一さんだ。その堀越さん検証・監修による「大地震でも『生き残る街』全国ベスト50」の結果では、その上位に、九州地方に位置する県が占めた。

「基本的に九州地方は火山活動を起因とする地震が多く、ほかの地区に比べ巨大地震や津波による被害は報告されていません。現在、危険視されているプレート型大地震の影響は低いと思われます」

今回の独自調査で、地震リスクが少なく、生活しやすい街として堂々の1位に輝いたのは、現在、毎年人口が約1万人も増えているという福岡市だった。2005年の福岡県西方沖地震(M7)以降、福岡市は地震の経験を教訓に、市内全域の地盤調査を学術的に行い『揺れやすさマップ』を作成。市民に防災に対する注意を喚起している。

「第1位に選出されたことは、ありがたいことです。ここ20年は、都市計画道路の設備に力を入れ、渋滞緩和、交通の便も改善してきました。また、天神や博多といった中心部では、建物の容積率を低くして、公園をつくるなどの環境整備なども行っています。福岡市は賃貸住宅と持ち家の比率が6対4。マンションなどの共同住宅率も政令指定都市のなかでいちばん高く、一戸建て、いわゆる木造家屋は比較的少ないです」(福岡市役所都市計画部)

 

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