40代で発症も…忍び寄る「若年性認知症」チェックリスト

「若年性認知症とは、64歳以下で発症した認知症のことです。症状に高齢者と大きな違いはありませんが、仕事や家庭の第一線で活躍している世代なので、発病によるマイナスは大きいですね」

そう語るのは横浜相原病院の吉田勝明院長。若年性アルツハイマー病をテーマにしたドラマ『ビューティフルレイン』(フジテレビ系)の医療監修も手がけた精神科医だ。

認知症はもはや老後の問題ではない。最近では、40〜50代で発症する『若年性認知症』にも関心が高まっている。’09年には、厚生労働省が患者数を約3万8千人と発表したが、実数はその数倍に及ぶという声も。さらに近年、増加傾向にあるという。脳卒中など脳血管障害による発症が高齢者に比べ少なく、その分アルツハイマー病の患者がやや多いのが若年性認知症の特徴。

「完全に治りきらないのが若年性アルツハイマー病です。ただ、進行を遅らせることは可能なので早めの診断が肝心です。若い方は『まさか自分が』と思っているため発見が遅れがちになります。以前に比べて仕事や家事の能力が下がったなと思ったら、一刻も早く病院へ行きまし
ょう」(吉田院長)

そこで本誌は、吉田院長の話をもとに若年性認知症のチェックリストを作成。現在の状態にあてはまるものをチェックしてみよう。該当する項目がある人は早めの診断を。

【本人の自覚症状】
(1)仕事がはかどらなくなった。
(2)書類の書き間違いや計算ミスが多くなった。
(3)受発注漏れや繰り返しが増えた。
(4)二重請求や請求漏れを繰り返すようになった。
(5)約束の日にちや時間を忘れてしまう。
(6)電話の取次ぎがスムーズにできなくなった。
(7)家事の段取りがうまくできなくなり、時間がかかるようになった。
(8)料理のレパートリーが減った。
(9)昨日の夕食が思い出せなくなった。

【家族から見たチェック項目】
(1)約束の時間に遅れることが増えた。
(2)おしゃれだったはずなのに服装にかまわなくなった。

(3)好きだった物事に興味を示さなくなった。
(4)ぼんやりするようになった。
(5)物忘れが激しくなった。
(6)物忘れを認めず、言いわけを繰り返す。
(7)怒りっぽくなった。

 

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