820日から9月末までの40日間で、約8万人のスキンチェックを行い『ニッポン美肌県グランプリ』としてランキングを作成しました。その結果、グランプリに輝いたのが島根県。23年間ためている千300万件の肌データがありますが、過去のデータを見返しても、島根県は上位にランキングされていました」

そう語るのは、株式会社ポーラの商品企画部の菅千帆子さん。ちなみに美肌偏差値なるものを比較してみると、島根県63.6で、2位の山梨県59.0を大きく上回り、ダントツ1位なのだ。以下、山梨県、高知県、岡山県と続き、秋田美人で知られる秋田県は5位だった。

島根県が1位となった大きな要因は、全国42位の日照時間の短さ(気象庁調べ)と、全国9位の水蒸気密度の高さ(ポーラ調べ)があげられるという。「単純に日照時間が短いので、紫外線の影響を受けにくいんですね。水蒸気密度は、1立方メートルのなかの水分量のことで、この値が高いので、肌がうるおいをまといやすいと考えられます」(菅さん)

さらに島根県庁の健康推進課や環境推進課の職員たち6人に取材をしてみると、皆さん島根の水と空気のきれいさを強調した。島根の高津川は国交省の水質ランキング日本一。『島根の名水百選』を選定するくらい水が自慢だ。また空気は、呼吸器系に悪影響があるという二酸化硫黄は全国平均の31、酸性雨の要因になる一酸化窒素は全国平均の約4分の1という。

空気といえば、気になるのがタバコの煙。ポーラの管さんも「シミのもととなるメラニンの量は、喫煙で7歳分増えるんです。30歳の喫煙者の肌は、37歳のシミ状態です」と話すが、島根県は平成19年、22年の国の調査で、女性の喫煙率がそれぞれ7%、5.47%と、全国最下位なのだ。

そして極めつけが温泉。島根県には60カ所以上の温泉があり、住民は銭湯代わりに利用しているという。これも美肌の秘訣となっているようだ。玉造温泉にほど近い市街地を歩くと、薄化粧かスッピン率も高く、みんなツルンとした肌。ほとんどが予想年齢よりも10歳も上回っていた。53歳女性は言う。

「月に2回は温泉に行っています。疲れも取れるし、次の日の化粧のりもいいんですよ」

玉造温泉街にある温泉コスメショップ『姫ラボ』店長で、温泉ソムリエマスターの資格も持つ藤田智加さん(31)もこう語る。

「島根の温泉はアルカリ性、弱アルカリ性が多く、酸性は少ない傾向です。玉造温泉は“化粧水のようなお湯”で、肌に水分を補給しやすいんです。昔から『一度入れば肌がきれいになる』と伝えられているくらい。私はボトルに温泉水を保存して、毎日、シュシュッと顔に一吹きしています」

藤田さんは、どうせ温泉につかるなら顔まで使ってほしいという。源泉が出ているところは、桶でお湯をすくってタオルにしみ込ませ、たっぷり顔になじませるのだとか。

これらの証言を集めていくと、あらゆるものが“10歳若く見られる肌”に通じていることがわかる。島根県、恐るべし!

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