4月15日に、開園30周年を迎える『東京ディズニーリゾート』。この”夢と魔法の王国”では、来場者をゲスト、従業員をキャストと呼ぶことをみなさん、ご存じだろう。

 

現在、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーで働く準社員と呼ばれるアルバイトのキャストは約18,000人。ゲストと接するキャストのほとんどを準社員が占める。そのなかには、開園から30年もの長きにわたって働き続けてきた女性キャストがいる。

 

藤野晴子さん(68)はその一人。彼女がオープンから30年という歴史のなかで生まれた、キャストとゲストの知られざる交流秘話を語ってくれた。もともと英語、仏語など外国語が堪能だった藤野さん。

 

「ニュージーランドからきたという80歳のおじいさんが一人でいらして、昼からずっと私とたわいもない話をしていたことがありました。せっかくパークにきたんだから、あのアトラクションは楽しいですよとか、パレードをご覧になったらと勧めたんですが、閉館時間までずっと私と一緒。『生まれてからこんなにやさしくされたことはない』と言って帰って行かれました」

 

また30代の女性が一人でパーク内を8ミリカメラで撮影しているのを見かけ、藤野さんが声をかけると、「子供が入院していて、ここへ来たいというので、せめて8ミリで見せようと思って撮りに来たんです」と打ち明けられたことも。彼女は「こちらから話しかけて打ち解けることの大切さを、東京ディズニーランドで教わった気がします」と話す。

 

藤野さんは1男2女の母だが、全員が大学時代にキャストを経験。『イッツ・ア・スモールワールド』にいた長女は、縁あって同じくキャストをしていた男性と結婚した。

 

「ほんとに家族中がディズニーファン。私の父が94歳のときに東京ディズニーシーに『タワー・オブ・テラー』がオープン。父の車椅子を押していっしょに乗ったら、そのあとでぽつりと、『米国のとはストーリーが違うな』って。すごい一家でしょ(笑)」

 

いまでも、ワールドバザール内のお菓子のショップ『ペイストリーパレス』などでおもにレジを担当している藤野さんは、「海外からのゲストに話しかけられるように各国の挨拶の言葉を覚え始めました。先日覚えたトルコ語の『メルハバ(こんにちは)』で20カ国語で話しかけられるようになりました」と語った。

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