昨年の秋ごろ、『バットマン』に登場するゴッサム・シティの1/35スケールの模型のクオリティが高すぎる、とツイッターやネットニュースで話題になった。作者は荒木さとし(45)。ブログを見てみると、数多くの精巧なミニチュアジオラマを制作し、大作映画にも出演しているよう。いったい何者!?本人に話を聞いた。
「山崎貴監督の大ファンで『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(’07年)のエキストラに応募して合格したんです。撮影後に、同じ山崎作品ファンの先輩が関係者と知り合いになり、続編撮影の際に声をかけていただいて……」
続編の『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(’12)では、メインとなるシーンでキャストの隣に位置。ポスターに載ってしまった、と笑顔で話す。
「“人生あがり”だと思いました(笑)。でも、『永遠の0』(’13)ではまた募集を見つけて応募し、奥さんにも会社にも知らせずに丸刈りに。自力で撮影に参加しました」
実はこの方、表の顔は普通の会社員。ジオラマ情景師、映画俳優(!?)は裏の顔。
「幼少のころ、特撮映画が大好きだったんです。ある日、母がお菓子の缶を持ってきて、その中に土を敷いて、石を並べて、僕が集めていたミニカーを置いて、“箱庭”という遊びを教えてくれて。それが衝撃的で、小学校に入るとプラモデルを、中学生になると、プラスチック板から建物を作るなどして、ジオラマを作るようになりました」
「特撮映画のミニチュアの技術師になりたい」という夢をもっていたものの、学生当時はモテるかどうかという理由で、デザイナーの道を選んだ。
「昔は、仕事で粘土を使ってカタチを作っていく作業があったんです。ところが、デジタル化が進んで手を汚さなくなってしまった。僕は手で何かを作ることが本当に好きなんだと実感して、再びジオラマを作り始め、SNSで仲間の輪が広がっていって、今に至るという感じです(笑)」
特撮映画への夢がエキストラ出演につながり、ジオラマ情景師としてテレビ出演も。次はどんなサプライズが!?