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話題のスポットやニューオープンのお店を、本誌編集者・めた坊(41歳独身。食いしん坊生活が続き、身長170センチで体重はかろうじて0.1トンを切るメタボ体形に成長)が覆面取材。“勝手に対決”させるこの企画。今回は、この夏に見たい「ルネサンス」の展示対決だ!

 

ルネサンスとは14〜16世紀にイタリアや西ヨーロッパで起きた文化・芸術の運動のことで、その巨匠として知られているのがミケランジェロ。そんなわけで最初に向かったのは東京・汐留ミュージアムの「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」。

 

ミケランジェロといえば、『ダビデ像』といった彫刻や『最後の審判』のような絵画が知られているけど、建築においても優れた作品を残した天才。日本でミケランジェロの建築を本格的に紹介するのはこの展示会が初めてなので、建築物の設計書となる素描が多く展示されてあった。

 

素描なので色彩豊かではないけれど、いまから500年以上も前に、複雑な設計図を描ける発想力と頭脳にはただ驚くばかり。面白かったのは友人にあてた手紙に、天井画を長期間にわたり描き続けたことから「首が痛い」なんて愚痴をこぼしている記述があるのを発見。マルチな才能を発揮した彼の功績をたどることができた。

 

次に向かったのは東京・六本木の国立新美術館で開催中の「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」。ルネサンスといえばフィレンツェが発祥の地といわれているけれど、ヴェネツィアも負けてはいない。

 

こちらはヴェネツィアにあるアカデミア美術館所蔵のヴェネツィア絵画が約60点紹介されていて、ひとつひとつの作品が大きいので見応えは十分。何より、落ち着いた陰影をつけつつも色彩豊かなヴェネツィア絵画に、うっとり。会場の壁の色も作品が映える色調で相乗効果抜群。

 

そして、いちばんの見どころは、ルネサンス期の巨匠の1人、ティツィアーノが手がけた祭壇画で、キリストがマリアに宿る場面を描いた『受胎告知』。4メートル以上あるそうでとにかく大きくて、抜群の存在感だった。

 

【めた坊ジャッジ】それぞれ快適に鑑賞できたけど『受胎告知』に圧倒されたのが決め手で、ルネサンスの巨匠たちの勝利だ!

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