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「当院では常に最新の栄養療法を取り入れていますが、患者さんの健康増進のためには日々の食生活へのアドバイスも欠かせないと、私自身も2年前からほぼ自炊に切り替えました。おかげで一層体調がよくなって、改めて日々の食の大切さを実感しています」

 

そう笑うのは、成城松村クリニックの松村圭子院長。昨年から本格的に栄養学も学び直し、この半年でさまざまな資格を取得。なかには、飲食店経営に関する知識も必要な「健康食コーディネーター」なるものも!

 

さらに診療の合間に欠かさずスーパーに通うことで、医学と栄養学、経営学の3つの視点で「お金と健康に効く」買い物術を編み出したという。

 

日々通うスーパーは、楽しい仕掛けがいっぱいの“お買い物天国”。でも、「安かったけど、栄養価はダダ漏れの食材だった」など、思わぬ失敗をしてしまうことも。

 

そこで、節約と健康を両立させる、高コスパ食材の選び方を、松村院長に教わった!

 

【1】“鶏むね肉”がコスパ最強!

 

家計の友・鶏のむね肉は、栄養価でも申し分なし!

 

「疲労回復効果バツグンのイミダゾールジペプチドが豊富で、育ち盛りのお子さんや疲れたご主人にもってこい。酒や醤油などで下味をつけて冷凍すればその後の調理も簡単になるうえに、繊維が壊れて食感もよくなります」(松村院長・以下同)

 

【2】“ひき肉”は豚と牛を別々に購入!

 

いっぽう、合いびき肉のまとめ買いは控えたほうが賢明。

 

「合いびき肉はそもそも解凍品が多いので、大量買いして再冷凍、再解凍するとドリップが出て、うま味とともに栄養素も損なわれてしまいます。人工的に脂が注入されていることもあるので、必要なときには使う量だけ牛ひき肉と豚ひき肉を購入し、自宅で、1対1の割合で混ぜましょう」

 

【3】“カット野菜”を上手に活用!

 

「薬品漬けで栄養スカスカ」と嫌われがちなカット野菜も、「使いよう」と松村院長。

 

「カット野菜で使われている場合がある次亜塩素酸ナトリウムは、水洗いか、加熱すればOK。確かに水溶性ビタミンは失われていますが、6~7割は残っています。忙しいからと、野菜を食べないよりはマシ!」

 

【4】食材高騰時は“冷凍野菜&缶詰”に頼る!

 

「冷凍野菜は、旬の時期に取れた野菜を使用しているため、価格も品質も安定した超高コスパ品。冷凍さといもは面倒な下処理がいらないため、プロの料理人も自宅で愛用するほどの優れもの。ほうれん草は食感こそ落ちますが、冷凍するとビタミンAやカルシウムが増えるというデータも。個人的にはより安心な国産野菜を選んでほしいですね」

 

同じく価格が安定している缶詰も、物によっては生鮮品より高栄養!

 

「代表格はトマト缶。トマトに含まれるリコピンは、加熱すると増加します。また、サバ缶は生のサバよりDHAが豊富。骨ごと食べられるので、カルシウムも摂取できます」

 

【5】“卵は安いもの、納豆はひきわり”がお得!

 

「卵は色や大きさで価格が変わりますが、じつは栄養価とは無関係。たとえば白玉より高価な赤玉は鶏の飼育コストが高いだけですし、黄身の色の違いも餌の違いにすぎず、いずれも栄養価とは無関係。また、卵の大きさを決めるのは白身の量ですが、栄養のほとんどは黄身に凝縮されているので、気にしなくて大丈夫。卵は安いもので十分です」

 

最後に納豆は、どうせ買うならひきわりを!

 

「納豆に含まれるビタミンKは骨粗しょう症の予防効果が期待される、女性にうれしい栄養素。納豆菌の発酵によって増えますが、ひきわりは表面積が多いぶん発酵が進み、このビタミンKがより多いのです」

 

財布にも体にも優しい買い物を心がけ、相次ぐ物価上昇を迎え撃て!

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