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預けていても、ほとんどお金が増えないのに手数料ばかり取られる。そんなあなたは、選ぶべき金融機関が間違っているのかも。じつは住む地域やライフスタイルによって選ぶべき金融機関は異なってくる。

 

大都市に住んでいる人の多くは、3メガバンク(三井住友、三菱UFJ、みずほ)に口座を持っていることが多いが……。「今後は店舗の統廃合が進み、専用ATM(現金自動預払機)の数も減らされていく」と、税理士の眞喜屋朱里さんは警鐘を鳴らす。

 

「最近、都心のあるオフィス街にあったメガバンクの支店が、1階の路面店から、同じビルの2階の目立たない場所に移動し、看板も小さくしていました。いまは多くの客を店舗に招き入れるのではなく、必要な人だけに来てもらう。つまり富裕層の顧客しか相手にしないスタイルに舵を切っているのです」

 

金融機関によって詳細は異なるが、預金額1,000万円以上になると、コンビニを含むすべてのATMでの各種手数料が完全に無料になるほか、金利の優遇などの優待措置を受けられる場合が多い。預金額が1,000万円以上ある人は、今後ATMや窓口が減らされても、大きな不利益を被ることはないだろう。さらに、経済評論家の加谷珪一さんはこうアドバイスをする。

 

「インターネットを使える人は、自宅のパソコンで残高照会や振り込みなどができる『ネットバンキング』を利用しましょう。今後、銀行はますますこの分野に力を入れていくので、利便性はどんどん向上していくはずです」

 

金融機関が破綻した場合に、ペイオフ(預金保険制度)で戻ってくる上限は1,000万円。1つの金融機関だけに預金を集中させるのは危険なので、複数に分散させよう。

 

「近年、営業エリア外から申し込める地方銀行や信用金庫の“地域応援商品”が増えています。一種のふるさと納税のようなもので、金利0.3%超えの定期や地域の名産品を還元するサービスなどがあります。余裕がある人は、“地域応援商品”に分散して預けておくのもひとつの選択肢となります」(加谷さん)

 

逆に、預金額が1,000万円に満たない人は、メガバンクを卒業するべきかもしれない。

 

「今後、銀行のコスト削減で、いちばん割を食うのは、都会のシニア層です。とくにネットが使えず、現金のやりとりに慣れている人は、面倒なことが増えるでしょう。そんな方は、『ゆうちょ銀行』がおすすめ。日本中どこでも公平に利用できることを責務とする郵便局は、都心でも一定間隔で必ずある。窓口やATMは急になくなることはないでしょう」(加谷さん)

 

さらに、ゆうちょ銀行は、今年1月から「ファミリーマート」やスーパーに設置された「イーネット」のATMなら、払戻し手数料無料(平日8時45分~18時)のサービスの展開を始めた。郵便局に行かなくても、手数料なしにお金が引き出せることに。

 

コストカットや合理化の名のものに、ますます弱者は置き去りにされていく。そうならないために自分にあった金融機関を選んでほしい。

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