画像を見る

「多くの人が、正しいと思ってやっている節電方法が、まったく逆効果だということも珍しくありません。エアコンや洗濯機の使用頻度が上がる夏に、正しい節電術を確かめてみてはいかがでしょうか」

 

そう語るのは、家電ライターの藤山哲人さんだ。

 

「家電は使用方法を少し工夫するだけで、年間数千円単位の省エネになります。これを複数組み合わせれば、かなりの節約ができるのです」

 

さらに、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」の広報担当・中田都季子さんはこう語る。

 

「一度、節電方法が習慣になると、その効果は一生続きます。ぜひ、正しい知識を得て、効率のいい家電の使い方を覚えましょう」

 

そこでクイズを出題。除湿・冷房はフル稼働、外に出たくないからテレビを見る時間ばかり増えていく家計泣かせのこの季節に、正しい節電術◯×方式で知ろう!

 

■冷蔵庫

 

【Q1】冷蔵庫に食材をめいっぱい詰めたほうが効率的に冷える

 

答えは×。詰め込むより、半分ほどのほうが年間1,140円安い。

 

「冷蔵庫は、冷気が通るように隙間を作ったほうが、効率的にモノが冷やせて、年間1,140円の節約に。逆にモノを詰め込みすぎると、食材を探す手間が生じ、開けている時間や、開閉回数が増えて、さらに消費電力を増やします」(藤山さん)

 

無駄な開閉をなくすと、年間270円安くなる。開閉時間を10秒で収めると、20秒よりも、年間160円安くなる。

 

「冷気が逃げないようにビニールカーテンを付ける人もいますが、ドアポケットに冷気が循環せず、電気代が高くなることも」(藤山さん)

 

【Q2】冷蔵庫に、学校のプリントをたくさん貼っている

 

答えは×。“冷蔵庫環境”を整えると年間1,170円安い。

 

「冷蔵庫の表面が熱くなるのは、庫内の熱を放出しているから。特に側面などに学校のプリントなどを貼ると、熱の放出を妨げてしまい、電気代に跳ね返ってしまいます。冷蔵庫は割とデリケートで、ほこりが積もっていても、熱がこもってしまう。夏前に、背面のほこりや、上面の油汚れを取るなどしておくのが、正解といえます」(藤山さん)

 

食器棚や壁との間隔を空け、直射日光の当たらない場所に設置するなど、“冷蔵庫環境”を整えると、年間約1,170円の節約につながるのだ。

 

■洗濯機

 

【Q3】ドラム式洗濯乾燥機よりも、浴室乾燥機を使う

 

答えは×。ドラム式乾燥機のほうが年間3万1,733円安い。

 

「浴室乾燥機はドライヤーをつけっぱなしにしているようなもの。消費電力が、洗濯乾燥機の7倍も! 毎日3時間利用した場合、浴室乾燥機の年間電気代は3万6,956円。対して最新型のヒートポンプ式洗濯乾燥機は、わずか5,223円です」(中田さん)

 

浴室乾燥機を使わず、エアコンと扇風機併用の部屋干しをした場合でも、年間2万4,000円ほどの節約効果がある。

 

【Q4】電気代がもったいないので、できるだけまとめて洗う

 

答えは◯。“すかすか”より“つめつめ”のほうが年間4,180円得。

 

容量の4割で洗濯する家庭と比較し、8割たまってから洗う家庭は、水道代と電気代合わせて年間4,180円の節約に。

 

「ドラム式は縦型よりも節水効果が大きい。また、洗剤や柔軟剤を自動投入する機能が搭載された機種は、“入れすぎ”の無駄も省けます」(藤山さん)

 

さらにお風呂の残り湯を使うと、水道代が年間7,900円も得になるという。

 

■電子レンジ

 

【Q5】野菜の下ごしらえに、コンロより電子レンジを使っている

 

答えは◯。年間1,140円安い。

 

100グラムの野菜を、1リットルの水を沸騰させて煮た場合と、電子レンジで下ごしらえした場合で、年間で1,140円以上の差が出る。夏場の調理の熱に苦しむ時間も減らせる。

 

「かといって、勘に頼ってワット数や時間を設定すると、電気代が非効率に。ちゃんと調べて設定するか、センサー機能で適切な設定を自動的にしてくれるものを選びましょう」(藤山さん)

 

出典:東京都「2018 家庭の省エネハンドブック」、資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬2017」、「電気代見直しNo.1サイト『エネチェンジ』/電気とガスのかんたん比較」より

【関連画像】

関連カテゴリー: