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今年10月から、消費税10%への引き上げと同時に政府の「キャッシュレスのポイント還元制度」がスタートした。現金払いよりもキャッシュレス決済のほうがメリットが大きいとされるものだが、「おトクだと思っていたら、なんだか出費が増えて気づけば家計がピンチ!」と、主婦たちから悲鳴の声も上がっている。

 

「対象店舗でスマホ決済やクレジットカード、電子マネーなどキャッシュレスで買い物をすると2〜5%が還元されるので、実質的には負担増ではなく、むしろ増税前より割安ということになります。ところが、キャッシュレス化の波に乗り遅れてはならないと、さまざまな決済方法に手を出してしまい、増税前より浪費が加速してしまった、という話をよく聞きます。現金を財布から出し入れするという過程が省略されたぶん、お金の管理が得意でない人にとっては散財してしまう機会が増えているという側面もあるのです」

 

そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで、2人の子の子育て中の主婦でもある小沢美奈子さん。銀行口座やクレジットカードとひも付けして、キャッシュレスの残高が一定額を下回ると自動的にチャージされる「オートチャージ機能」には特に注意が必要だという。

 

「ふだん買い物をするお店はだいたい決まっているので、財布に入れておくクレジットカードは1〜2枚程度、スマホ決済も1つにするなど、利用するキャッシュレス決済の種類は絞るようにしましょう。また、オートチャージ機能は極力使わず、そのつど、現金でチャージを。そのひと手間で、お金の流れが把握しやすくなります。家計がうまくやりくりできている人にお金の管理のコツを聞くと、詳細な家計簿はつけていなくても、給料日に一定額を現金で電子マネーにチャージして、それを大体1カ月で使い切る、というやり方でした」

 

一見便利で、メリットも多いとされるキャッシュレス決済だが、このほかにも散財のきっかけとなりうる“落とし穴”が存在すると小沢さんは指摘する。

 

「ポイント還元を導入する店舗が複数あるため、キャッシュレス決済で得られるポイントの還元率が2%、5%などお店によって異なるので、どこで買い物をしたらいいのかわからない、という声をよく聞きます。5%還元のドラッグストアで、洗顔料、シャンプー、ボディソープなど日用品のまとめ買いをした後に、別のお店の前を通ったら、そもそもの値段がそれぞれ100円近く安かったということも。還元率の高いお店で買うよりも、ポイント還元を実施していないお店のほうが安売りしているというケースもあるので、過度に還元率に振り回されないように気をつけたいところです」

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