’18年制度変更…配偶者特別控除漏れで年収500万円なら7万円の損

確定申告は、前年の所得を申告して税額を確定させる手続きのこと。会社員の場合、給料から税金が天引きされて、年末調整で清算されているので関係ないと思いがちだが……。

 

「じつは会社員にも確定申告が必要な人がいます。年収2,000万円を超えた人、20万円を超える副業の所得がある人です」

 

そう語るのはファイナンシャルプランナーの大江加代さんだ。年金収入とは別に、年20万円を超える所得のある年金生活者も確定申告をする必要がある。正しく行わなかった場合、後から多めに税金を取られることにもなるのだ。

 

【確定申告を必ずやらないといけない人】

 

□サラリーマンで「年収が2,000万円を超えている人」

年末調整が行われなくなるので、確定申告する必要がある。

 

□サラリーマンで「2カ所から給与をもらっている人」

年末調整は1つの会社でしかできない。もう片方分は確定申告する必要がある。

 

□サラリーマンで「副業で20万円を超える所得がある人」

必要経費を差し引いた所得が20万円を超えると申告しなければならない。

 

□年金生活者で「公的年金以外に20万円を超える収入がある人」

必要経費を差し引いた所得が20万円を超えると申告しなければならない。

 

そんなめんどうくさい確定申告。

 

「しかし、する義務がなくても、申告すれば払いすぎた税金が戻ってくることがあるんです」

 

サラリーマンは給料から、所得税が源泉徴収されている。この税額が“正しい税額”よりも多い場合、その差額が還付されるのだ。

 

「所得税額は、収入から基礎控除や給与所得控除、配偶者控除など、各種控除額を引いた金額である課税所得に、その額に応じた税率をかけて、導き出されます。つまり、控除額が大きく、課税所得が小さくなれば、税金は少なくなるのです」

 

じつはサラリーマンの給与から源泉徴収されている所得税はその年の“見込み額”。年に1回、12月に年間の収入が確定した時点で“年末調整”で清算して、本来の税額との差額分を、会社員に還付したり、追加徴収したりする。

 

「配偶者控除や扶養控除、各種保険控除などは年末調整で申請できます。しかし、そこで申請し損なった場合や、医療費控除や寄付金控除など年末調整で処理できない控除は確定申告をしないと、課税所得に反映されないのです」

 

新しい課税所得で計算し直した所得税の額と、すでに払った額の差額が還付されることになる。この申告を還付申告という。

 

「確定申告の時期は、今年は2月17日〜3月16日ですが、還付申告に関しては、年明けから受け付けています。4月ごろまでには還付金が振り込まれるはずです」

 

さらに、住民税は前年度の課税所得によって決まるので、還付申告することで、こちらの税額も安くなる。

 

国税庁によれば、’18年に確定申告した2,221万人のうち、約6割の1,305万人が還付申告をしていて、4年連続増え続けている。

 

「ふるさと納税の誕生は大きかったかもしれません。主婦の方にも、控除の手続きをきちんとすればお得なことがあるという認識が広まっていると感じます」

 

はたして、自分も還付申告できるのか。税理士の二橋祐多哉さんが解説してくれた。

 

「配偶者特別控除は、サラリーマンの場合、年末調整で申請します。しかし、妻が該当するのに、申請をしていないというサラリーマン家庭はじつは多いのです。以前は年収141万円までの配偶者しか特別控除の対象者にはなりませんでしたが、’18年に女性の社会進出を後押しするために、『201万円まで』に引き上げられたのです。この制度変更を知らず、手続きをしていない人が多くいます」

 

たとえば、夫の年収が500万円で、妻のパートの年収150万円ほどの世帯だと、配偶者特別控除の申請をすれば、夫の所得税の還付と住民税の減額で、およそ7万円得することになる。逆に、制度変更を知らず、申請をしなければ、7万円を損したことになる。

 

「多くの家庭に関係ありそうなのは、医療費控除でしょう。病院で払ったお金だけではなく、通院のための交通費や、介護費用も計上できます」

 

仮に、年収500万円ほどの人が20万円の医療控除を申告した場合、約1万円が還付。住民税の減額とあわせると、2万円の得になる。

 

インターネットはもちろん、スマホでも確定申告ができるようになった。また、この時期は無料の相談会が、税務署や市役所で開かれていることも多い。うちはサラリーマン家庭だから、年金暮らしだから確定申告は関係ないと思っていると、意外な損をしているかも……。

 

「女性自身」2020年2月18日号 掲載

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