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携帯業界に衝撃を与えた最大手のNTTドコモの新料金プラン“ahamo(アハモ)”。はたして自分はどれほど安くなるのだろうか。これは新たな価格競争の始まりかーー。

 

「携帯業界始まって以来の、破壊的な料金だと思います」

 

そう話すのは、携帯電話業界の事情に詳しいITジャーナリストの三上洋さん。12月3日にNTTドコモが“新プラン”として打ち出したアハモは、月20GB(ギガバイト)までのデータ容量が2,980円(税別)で利用できるというものだ。

 

携帯電話の料金といえば、広告などで安い価格を提示しても、期間限定のキャンペーン価格だったり、“ネット回線との同時契約”や“○年契約”などの条件付きだったりすることが多かったが……。

 

「そうした条件はなく、とにかくシンプル。契約手数料もかかりません」(三上さん・以下同)

 

ソフトバンク傘下のY!mobileや、KDDI傘下のUQmobileのような、大手携帯キャリアの割安ラインである“サブブランド”の同等のプランと比べても、月1,000円以上安い。

 

スマホの通信で消費可能なデータの上限が「データ容量」だ。これを超えると、通信速度が制限されて遅くなってしまう。通常の速度で使うには追加の料金がかかる。

 

YouTubeなどでやや高画質の動画を1時間視聴する場合、約0.6GBのデータ容量が必要だという。LINEでビデオ通信をした場合は1時間で0.3GBほど。

 

アハモの月20GBというデータ容量であれば、動画なら毎日1時間程度を見ることができる。ビデオ通話であれば、毎日2時間できる計算だ。多くの人にとっては十分だろう。さらに、1GBあたり500円(税別)でデータ容量も追加することができるという。

 

ドコモには、料金が割安になり、家族間の通話が無料になる「ファミリー割引」があるが、アハモには存在しない。それでも、現在ドコモに加入している人の多くは、アハモに替えたほうが安くなる。

 

■現行のドコモユーザー

 

【ネットもがっつりAさん】動画もたくさん見るし、高容量・高速のネット環境がほしい。

・月の料金(税込み):8,635円(初回6カ月は7,535円)
・データ容量:無制限(キャンペーン終了後は100GB)
・5G対応:○
・家族割引(※1):○
・無料通話時間(※2):5分以内
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:○
・ドコモショップでの対応:○
・電話での問い合わせ:○

 

【長電話好きのBさん】時間があれば、親族や友人と電話している。かけ放題(+1,700円)を追加。

・月の料金(税込み):4,785円
・データ容量:1GB
・5G対応:×
・家族割引(※1):○
・無料通話時間(※2):無制限
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:○
・ドコモショップでの対応:○
・電話での問い合わせ:○

 

【一般的な契約のCさん】電話は使うけど、ネットはそれほど……50代以上の女性に多いタイプ。

・月の料金(税込み):3,685円
・データ容量:1GB
・5G対応:×
・家族割引(※1):○
・無料通話時間(※2):5分以内
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:○
・ドコモショップでの対応:○
・電話での問い合わせ:○

 

【安ければいいDさん】ふだんはスマホを触らない。ほとんど置物状態の人。

・月の料金(税込み):2,915円
・データ容量:1GB
・5G対応:×
・家族割引(※1):○
・無料通話時間(※2):つけず(30秒20円)
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:○
・ドコモショップでの対応:○
・電話での問い合わせ:○

 

■ahamo(アハモ)

 

【オプションなしの基本料金】専門家が破壊的と評した衝撃サービス。

・月の料金(税込み):3,278円
・データ容量:20GB
・5G対応:○
・家族割引(※1):×
・無料通話時間(※2):5分以内
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:×
・ドコモショップでの対応:×
・電話での問い合わせ:×(※3)

 

【かけ放題のプランにした場合】かけ放題(+1,000円)を追加。

・月の料金(税込み):4,378円
・データ容量:20GB
・5G対応:○
・家族割引(※1):×
・無料通話時間(※2):無制限
・ドコモメール(@docomo.ne.jp)の使用:×
・ドコモショップでの対応:×
・電話での問い合わせ:×(※3)

 

※価格はすべて税込み、取材をもとに本誌作成。※1:夫婦で2回線契約で550円引きと計算。※2:衛星電話や0570で始まる番号は除く。※3:紛失や盗難時の利用中断などには対応する予定。

 

仮にAさんとCさんが夫婦である場合、アハモに替えると、月5,764円の節約になる。年間だとなんと6万9,168円だ。

 

ただし、デメリットも。

 

「@docomo.ne.jpがつくキャリアメールは使えなくなります。ただ、その役割は使い勝手のよいGmailなどのフリーメールで置き換えられます」

 

何よりも問題なのが、申し込みも問い合わせもネットでしかできないことだ。

 

「ドコモの特徴であったドコモショップのサポートが受けられませんし、申し込みも、ネットで、個人情報やクレジットカード決済などを登録して、SIMカードを取り寄せて自分でスマホに入れる必要があります」

 

端末の使い方がわからなかったり、故障したりしても、これまでのようにドコモショップに駆け込むことができなくなる。電話での問い合わせも基本的に受け付けないため、トラブルには自力で対処しなければならない。

 

「ネットに慣れていない高齢の方は、子どもや孫など、身近でサポートしてくれる人が必須でしょう」

 

「女性自身」2020年12月29日号 掲載

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