“文字靈(もじだま)”は自分の名前を書くことで内面を可視化、潜在意識を読み解き、天命を引き出す方法だ。名前をていねいに書いていくことを、21回、21日続けることで人生が好転するーー!
「人は誰もが“天命”を持って生まれてきます。文字どおり天から授かった命のことですが、その人だけの“得意分野”のことも指します。人は皆、自分にしかできないことを持って生まれており、“文字靈”によって引き出せるのです」
そう語るのは、これまで1万人以上の筆跡を鑑定してきた丸山靜香さん。
「かつて日本には“言霊”と同様に、文字に宿る力“文字靈”も存在していました」と語る丸山さんは、なかでも名前の文字の持つ力に着目し“文字靈”として体系化。現在、新刊『人生を好転させる超開運法「文字靈」』(PHP研究所)が注目を集めている。
「筆跡がその人の心理を表すという概念は、世界では“グラフォロジー(筆跡心理学)”と呼ばれています。フランスでは国家資格もあるれっきとした学問で、私もこのグラフォロジーを追究していくなかで、『氏名にはエネルギーがある』という言葉に出合ったのです。そこで、自分の名前を書いて自己を発見するにとどまらず、そこから潜在意識を読み解き、潜在能力を引き出すメソッドとして確立したのがこの“文字靈”なのです」
文字靈のやり方は簡単。けい線の入っていない白い紙とボールペンを用意して、まっすぐ自分の名前(戸籍上の名前)を縦書きする。その後、一文字目の中心を基準に、用紙の上端と定規の目盛りが90度になるよう縦線を引くと、左右どちらかに片寄っているのがわかるはずだ。
「この左右の片寄りは自分自身のブレを表しています。筆跡の片寄りで自分の内面を知り、名前の文字をていねいにバランスよくまっすぐ書いていきます」
これを1日21回、21日間続けていくのが文字靈だ。
「文字靈は継続することが大切なのですが、21というのは習慣化されやすい数字でもあります。日数でいえば3週間、それ以降も続けてください。続けるうちに自分の内面がどんどん可視化されていき、やがて心身が軽くなっていきます。文字が変われば、心が変わり、人生が好転していきます」
筆跡と性格の傾向を表すポイントは次のとおり。自分の性格の傾向を知って、「中間の状態」のあんばいのいい文字を書いていこう。
【1】文字の大きさ
文字靈ではいずれも表の左右どちらにも片寄らない、「中間の状態」を目指していく。まずは「字の大きさ」から、自分のいまのエネルギーの大きさを知ろう。
「文字の大きさには、自分がいま持っているエネルギーの大きさが表れています。文字が大きい傾向にある人は行動力がありエネルギッシュな人が多く、小さい傾向にある人は緻密性があり内向的な人が多いようです。ただし、これは大きいからよい、小さいから悪いということではありません」
【2】文字のていねいさ
文字のていねいさからは、自分を大切にしているかどうかがわかるという。
「コンプレックスがあったり、自分が許せないと思っていると、名前の書き方も雑になる傾向があります。雑に書くどころか、自分の名前を見るのも嫌だというケースも。文字靈には潜在意識のなかのマイナス部分を解消する働きもありますので、そういう人ほどしっかり自分の名前と向き合っていただきたいですね」
【3】文字の筆圧
筆圧は、その人の生命力の強さを表す。
「筆圧が強い人ほど生命力が強くがんばり屋さんなのですが、その傾向が強すぎると周りにも同じようなことを求めて、空回りしてしまう場合もあるので注意が必要です。弱々しい筆圧の場合は、心のなかでなんらかのSOSを発している可能性も。このような方は、意識して筆圧を強めにするように心がけましょう。生きる力につながります」
【4】文字の片寄り
一文字目の中心を基準にまっすぐ縦線を引いてバランスを見た際に、文字が左に寄りがちなら陽傾向(プラス思考)、右なら陰傾向(マイナス思考)の表れ。
「一見、プラス思考であるほどよいように思われますが、度を越した前向きさには反省する姿勢が足りなかったりもします。反対に、マイナス思考の人は気遣いにあふれ、優しいという特性もあるのです。これはどのポイントにおいてもいえる話なのですが、どちらがよい悪いではなく、バランスが大切です」
【5】文字の重なり
文字の「へん」と「つくり」の重なり方から見えるのは、ストレスの度合い。
「“へん”と“つくり”が重なっている人ほど、ストレスをためやすい傾向にあります。ある生徒さんは仕事をしながら両親の介護をされていたのですが、まさにこうした字を書く方で、自分の名前を書いてみた途端に泣きだしてしまったことがあります。とはいえ適度なストレスは行動力や判断力を高めますので、ストレスがまったくないのも考えもの。中間の状態を目指してくださいね」
コロナ禍で先が見えなくなりがちないまこそ、文字靈であなたも天命を開いてみては?
「女性自身」2021年5月25日号 掲載