■豪雪地帯は危険地帯(48歳・IT企業勤務)
雪のない地域で育った私にとって、美しい雪景色は憧れ。そこで、オンライン勤務が可能な私たち夫婦が移住先に選んだのは、豪雪地帯の旭川市でした。格安で見つけた借家は広くて風情があり、お気に入りだったのですが、屋根の形状から雪が積もりやすく、つららができやすいのが難点。でも、最初は「氷の彫刻みたいで素敵」とうっとり眺めていました。
2年目の冬、屋根の雪をそのままにしておいたところ、わが家にやってきた東京からの知人の頭上に大きな「つらら」が直撃して、おデコが見事にパックリ。頭にけがをしてしまって! これには真っ青。
命に別条はなかったものの、わが家の雪で災害にあったということで、法的には私たちに責任があるとのこと。保険にも未加入だったため、実費を私たちが負担することで折り合いがついたのですが、もし亡くなっていたらと思うとゾーッ。結局、雪は凶器! とてもじゃないけど扱えない、ということになり、今年は初雪の前に東京へ戻るかも。
■拭えない医療不信……(41歳・元自治体嘱託職員)
移住で最も気をつけるべきはやはり医療です。自治体の政策にひかれて移り住んだのは山陰地方のある町。一定の条件を満たせば家は無料で貸与され、仕事も紹介してもらえるということでした。
でも、ただほど高いものはない。慣れない土地で体調を崩し、生理も不順になり出血が止まらない。ストレスかな? と思っていたのですが、現地で受診したところ子宮頸がんの前がん状態とのこと。「リスクもあるし、摘出してしまってもいいでしょう」と断定的に言われたんです。まだ40歳になったばかり。独身ではありますが、出産の可能性もあるのにこんな言い方ありえないと。
地元(地方都市)へ戻り改めてがん拠点病院を受診したところ、最小限の切除手術で、もちろん子宮は温存。「これで再発リスクも軽減できますよ」と。この時点でもう田舎の医療に不信感が芽生えていましたが、その後、急に歯痛があり、やはり移住先の歯科医院で受診した際に、「これしかないから」となんと口を開けたら見える位置にしれっと銀歯を入れられて。ストレスから胃が毎日シクシク。こんなはずじゃなかった。