相次ぐ値上げで火の車の家計。もっともっと節約しなきゃ! と思うあなた。一度、自分の節約の方法を見直しませんか? 時代の変化も影響し、お金がたまるどころか減っていってしまう節約方法もあるんです…。
「チラシで最安商品を見つけたり、スーパーで半額シールに出合うと『安い!』と飛びつく人がいます。でも、どれだけ安くてもいらないものを買うのは賢い節約とはいえません。誰でも不要なものを買って使い切れず、腐らせてしまった経験があると思いますが、もったいないですよね」
そう話すのは家事アドバイザーでAll About節約ガイドの矢野きくのさん。
「『安いから』と不要なものまで買ってしまうのは、ただの無駄遣い。買い物における“節約”は、“安いものを買うこと”ではなく“必要かどうかで選ぶこと”です」
相次ぐ値上げで、ますます必要に迫られる節約だが、このように間違った方向に取り組んでいる人は少なくないというのだ。
ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんも、節約の落とし穴をこう指摘する。
「最近冷え込んできましたが、“自分がガマンすれば光熱費が浮く”とたくさん着込んでとにかく暖房はつけない、という人がいます。
でも、風邪をひけば薬代や医療費がかかります。パートを休むと、その分給料が減ることもあるでしょう。ガマンして節約しても、その何倍もの損につながり、貯金が減ってしまえば意味がありません。
無理して光熱費を抑えるより、健康でいることのほうが節約につながるんです」
また、時代の変化によってこれまで正しかった節約の常識が通用しなくなることも……。
「小銭貯金が好きな人もいると思いますが、多くの銀行で小銭を預けるには『硬貨入金手数料』が必要です。手数料額は硬貨の枚数しだいなので、1円玉が大量だと預入額がかなり目減りすることに。
小銭はためずにセルフレジなどで使い切り、代わりに紙幣を貯金しましょう」(矢野さん)
もちろん、間違った節約や、絶対にダメな節約というものは少ないと矢野さん。
「待機電力カットのためにコンセントからプラグを抜く人がいますが、これもまったく節約できないわけではありません。でも、全部のプラグを抜いたところで、節約効果はほんのわずか。努力に見合う効果が得られない節約は、長続きもしにくいんです」