「相続でもめたくないと多くの人が望んでいますが、そのための準備を行っている人は少ないのが現状です」
そう話すのは税理士で『相続でモメる人、モメない人』(講談社)の著者、天野大輔さんだ。2024年の贈与から、相続開始前の贈与を相続財産に加算する期間が死亡前の3年から7年に延長するなど、最近、相続関連の法改正が相次ぐ。
「ただ時代や場所、地位や財産額などに関係なく、相続トラブルは太古から起きています。法律が変わっても、税金などの“勘定”より人の“感情”が大切なことは変わりません」(天野さん、以下同)
相続トラブルの原因は何なのだろう?
「多くはコミュニケーション不足です。特にきょうだいは『いまさら』と思いがちですが、それぞれの事情はわかりづらいでしょう」
確かに、年に1回会うかどうかというきょうだいも多い。
「ふだんからちょっとした贈り物をするなど、『いつも申し訳ない。ありがとう』の気持ちを伝えてください。お互いの気遣いが円滑なコミュニケーションをつくり、もめない相続へとつながります」
親に相続の意向を確かめたいとき、どう切り出せばいい?
「単刀直入では、本音は聞けないかも。おすすめしているのは『何かおっくうなことはない?』と聞くこと。親の困りごとを聞き、手伝ううちに、相続への思いも打ち明けやすくなるでしょう」
それでは相続クイズでポイントをつかんで、もめない相続を実現させよう。