【前編】片づけの達人アナウンサーが教える「部屋を片づけるマインド」の起こし方 より続く
整理収納アドバイザーでフリーアナウンサーの阿部静子さんは、元々片づけが苦手だったが、13年前に「自分を変えたい」と一念発起し、整理収納アドバイザー2級の資格を取得。
「片づけの基本を学んだ」ことから、人生が激変!
「自分にも片づけができる! と楽しくなり、毎日ワクワクしながら、少しずつ片付けをするようになり、自分にも自信がつきました」
その後、整理収納アドバイザー1級を取得し、片づけのプロの道へ。これまで7000人の片づけの悩みを解決に導いてきた。
「片づけは、自分に自信がつき、自分を肯定し好きになるための手段だと知ってほしい」と、新著『自分を好きになる片づけの法則』(ぱる出版)など、片づけのノウハウを多くの人に伝授している。
片づけといえば……「モノが多すぎて、なにから手を付けたらよいか」と悩む人も多い。また、やみくもに不要なものを捨てて満足してしまった経験がある人もいるだろう。
「片づけは、モノを“捨てる”こと抜きには進めるのが難しいです。この“捨てる”段階を飛ばしてしまうと、うまくいきません。しかし、片づけが苦手な人の中に、『モノが捨てられなくて片づかない』という方も多いです」
そこで、今回は、そんな「モノを捨てるのが苦手」な人に向けて、阿部さんから、無理せずに「モノを捨てること」に着手できる心がまえを解説してもらった。
【法則1】全部捨てなくて大丈夫
「講座でもこうお伝えすると、『なんでもかんでも捨てなくてはいけないのでは?』と、心配する方も多いですが、いいんです。片づけの大前提として覚えておいていただきたいのが、『全部捨てる必要はない』ということ。誰にも、大切なモノはありますよね。思い入れのある大切なモノは残しておいていいのです。片づけは、『捨てる』『残す』のメリハリが大事。安心してください」
【法則2】捨てるために考え方を切り替える
「『小さいころから親に、モノを大切に。捨てるのはもったいない』と言われて育ったため、モノを捨てることに罪悪感を抱く人もとても多いです。そんな方は、フリマアプリなどリサイクルできることはないかを考えてみましょう」
また、「これはいつか使う」と、ついため込んだモノも、結局一度も活用することもないまま、という人もいる。
阿部さんは、そんな人には「モノを大事に使うためにモノを手放す、と頭を切り替えて考えてみましょう」と伝えているという。
「モノは、使われて初めて輝きます。いつか、いつかと、クローゼットや引き出しの奥に押し込まれているより、使われたほうが嬉しいはず。モノが多いより、少ない方が手持ちのモノを大事にできるのです」
【法則3】手放す対象は“自分のモノだけ”に
「年老いた母がとにかく荷物が多くて、処分してほしいけど。どうしたらいいですか?」
家族にモノを捨てて欲しいと思っている人も多いと阿部さんは話す。だが、阿部さんが「片づけで絶対に守ってほしい」と話すポイントは「捨てるものは、自分のものだけ」ということ。
「私も、以前、夫の持つたくさんの服が気になっていました。でも家族といえども、自分以外の人のモノは思い入れがないため、不要に見えやすく、捨ててほしい気持ちなってしまいがちです。けれど、どれほど大切なものかは、持ち主にしかわかりませんよね」
大切なものを家族に捨てられてしまったら、やはり嫌な気持ちになるものだろう。
「片づけでは、人のモノは捨てない、を鉄則にしましょう。私も自分の片づけに集中することで、夫の服のことも気にならなくなりました。家が片づいてくると、夫も片づけてくれるようになりました。これは私だけではありません。片づけをしていると家族に連鎖反応が起こるのです」
【法則4】片づけは、思い入れのないものから手をつける
大事なモノをうっかり捨ててしまい後悔した経験から、“捨てる”ことに拒否反応が出てしまう人もいるという。
「片づけは、必ず、思い入れのないものから着手しましょう。思い入れのあるものは後回しに。これも外せない鉄則です」
具体的には、ペン立ての筆記用具を並べて、書けなくなったペンを処分する。ずっと前にもらった化粧品サンプルを手放すなど、明らかに使い道のないモノからおさらばしよう。
「手放す感覚が身についてくると、自然と、『思い入れのあるものに取り掛かってみよう』と、気持ちに変化が出てくるはずです」
まずは、洗面台のまわりにある無数の化粧品サンプルから手をつけてみてはどうだろう。