■確認メールがフィッシング詐欺の可能性も
不正利用がたとえ少額でも、大きな被害につながる“詐欺に使えるカード認定”は避けねばならない。不正利用はいち早く見つけてカード会社に連絡、カード番号の変更など対応をとる必要がある。
また、不正利用は原則カード会社が補償してくれるが、補償期間は不正利用の発生から60日、長くても90日だ。尚美さんのように気づかないのは論外としても、利用明細を見て1カ月前の不正利用を見つけても補償期間は残り数週間。カード会社とのコンタクトに時間がかかることもあり、間に合わないケースもあるという。
「最近はクレカを少額決済に使う人も増えています。1カ月前に数百円を何に使ったか、覚えている人は少ないでしょう。利用明細のチェックは1カ月ごとでは遅すぎます。2~3日に1回は必ず行うものだと考えてください」
たとえば「通勤時間中に」などチェックするタイミングを決め、ルーティン化するといいという。
「明細チェックは公式ホームページからWEBで行うより、アプリがおすすめです。アプリに指紋や顔など生体認証を登録すれば、ログインが簡単ですよ」
不正利用の増加を受け、経済産業省も対策に乗り出した。4月からクレカのセキュリティ強化を義務化するのだ。ポイントは2つ。
【1】ネットショッピングで高リスクと判断された決済には、必ずSMSなどの2段階認証を実施する。
【2】実店舗ではクレカ利用時にサインでの認証を廃止。4月以降は暗証番号での認証かタッチ決済に。
4月から「暗証番号を忘れたからサインで」は通用しない。
クレカを使った覚えがないのに、利用後の確認メールやSMS認証が送られてきたら、不正利用の疑いがある。しっかり確認しよう。
「ただ確認メール自体がフィッシング詐欺の可能性もあります。メールに記載されたURLはクリックせず、問い合わせ窓口に連絡してください」
クレカを安全に便利に使うため、明細チェックを日課にしよう。
画像ページ >【グラフあり】クレジットカード不正利用の被害額(他1枚)
