■「液漏れ問題」をアルカリ電池が克服し、使い分けが不要に
実は、現在のほとんどのアルカリ電池は、「微少電流の機器に対応できるように」と性能が向上している。かつては、リモコンなどにアルカリ電池を使用することで液漏れなどが発生したが、今ではアルカリ乾電池も問題なく使えるため、使い分けの必要性がなくなった──。
さらに、かつては2倍以上といわれたマンガン電池とアルカリ電池の価格差も、海外で製造された安価なアルカリ電池が輸入されることで、徐々に縮まっていった。
その結果、徐々にマンガン電池の家庭での“居場所”がなくなっていったのだ。
「日本をはじめアメリカ、欧州などではすでにマンガン電池からアルカリ電池に入れ替わっています。今、国内で売られているマンガン電池(輸入品)は、微少電流に適していると認識している方だけが購入しているのでしょう」
今後は、マンガン電池は全く必要なくなってしまうのだろうか?
「世界では、現在もマンガン電池は使われています。今後も使用されるかどうかは、電池を使う機器次第で大きく変わってくるでしょう。たとえば、時計を単純に動かすだけならばマンガン電池で十分ですが、デジタル表示になったり、アラームがついたりと機能が増えていけばアルカリ電池の方が適しています。アルカリ電池とマンガン電池のシェアがひっくり返ることは考えづらく、マンガン電池が絶滅する可能性は否めません」
多くの人になじみのある「マンガン電池」は、いまや“絶滅危惧種”となってしまったのだ。
店頭で見かけなくなる日も近いかもしれない。
