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(写真・神奈川新聞社)

指定暴力団山口組と神戸山口組の対立が深まる中、厚木市妻田東の山口組弘道会系の事務所で17日夜、同会の関係者を集めた会合が開かれた。山口組の中核を担う弘道会が県内で会合を開くのはまれで、県警は100人超の捜査員を投入して事務所周辺を警戒。小田急線本厚木駅から北へ約2キロの住宅街は夕刻から深夜まで、ものものしい雰囲気に包まれた。

「写真を撮るんじゃねえ!」「あっちへ行けよ」

午後9時過ぎ。参加者の姿をとらえようと、鉄柱で囲われた出入り口に近づく記者や警察官を男たちが威嚇する。客人は傘の影に隠れて車に乗り込み、深々と頭を下げる男たちを横目に次々と走り去っていった。

夕刻に始まった会合には約20人が出席。丸刈りの組員は「志のある近場のやつらが集まった」と多くを語らないが、県警暴力団対策課は近県の弘道会関係者が集ったとみている。

会合は約3時間続き、途中から威勢よい歌声も響いたが、ほろ酔い気味で表に出てきた男は意外な言葉を口にした。神戸山口組との抗争について聞くと、吐き捨てるように言った。「疲れているから何もしたくない。近所迷惑だし、好んでやっているわけではない」

事務所周辺では2月27日、約200メートル離れた関連住宅にトラックが突っ込む事件が発生。県警は盗難車を使った手口から対立組織の犯行とみる。4階建ての入り口には鉄製の障害物が置かれ、3基の照明灯で常時四囲を照らすなど警戒感をあらわにしていた。

もっとも、先の見えないいさかいにうんざりしているのは近隣住民だ。厚木市と小学校は事件発生の翌28日から、子どもの通学の見守りをスタート。事務所には、夜通し警察官が張り付いている。

近くに住む自営業の男性は「約10年前に近くで抗争(射殺事件)があり、うちの車に流れ弾が当たった。再び事件が起きないことを祈りながら仕事しなきゃいけない」。事務所の数十メートル先で小学生の孫3人と暮らす60代の主婦は「何より子どもが巻き添えになったら困る。近所の人たちも怖がっている」と表情を曇らせた。

◆河野国家公安委員長 抗争「神奈川も人ごとでない」
河野太郎国家公安委員長は17日、指定暴力団山口組と神戸山口組の対立抗争について「神奈川も決して人ごとではない」と危機感を示した。国会内で神奈川新聞社の取材に答えた。

河野氏は警察の対応方針について「市民生活に影響が出ないよう、厳正にしっかり取り締まっていこうと思うし、必要なら幹部も検挙して抗争をこれ以上拡大しないよう防いでいきたい」と説明。その上で抗争は全国で発生する可能性があるとの見方を示し、「長野県や(新宿の)歌舞伎町でももめた。神奈川も決して人ごとではない」と述べた。