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(写真・神奈川新聞社)

育児中の不安を解消しようと便利グッズを開発している企業「光巨(みつおお)プロジェクト」(横浜市中区)のベビーグッズブランド「Rompbaby(ロンプベイビー)」が人気急上昇中だ。立ち上げ当初の5年前には1年間で300だった売り上げ点数が、昨年は1万点近くにまで成長。自身も2児の親である夫婦が手を携え、子育てしながら生まれるアイデアを見事に形にしている。

2011年の発売から累計2万3千点を売り上げたヒット商品「究極のオムツポーチ」をはじめ、多機能トートバッグや防水オムツ替えシートなど、主に6種類を販売。豊富なカラー展開などデザイン性の高さもさることながら、人気の秘訣(ひけつ)は優れた機能性にあるという。

例えば、特許も取得しているオムツポーチは急いでいるときでも外側から簡単にウエットティッシュが取り出せる構造。新生児のオムツ8枚とおしり拭き、着替えも入る収納力が売りだ。オムツ替えシートは乳児のおしりが冷えないよう肌を包み込むパイル素材でできている。外出先の限られたスペースでも使いやすいように楕円(だえん)形にするなど、工夫を凝らしている。

妻の土屋久美子さん(40)がアイデアを、夫の光巨さん(39)がデザインを担当。同社はもともとスノーボード用品の販売を手掛けていたが、08年5月に長女が誕生したことがきっかけとなりベビーグッズの製作にも取り組むようになった。

「おしり拭きからウエットティッシュが何枚も出てきたり、オムツ替えスペースのうしろに何人もの人が待っていて焦ったり。もっと楽な方法はないかと考えたのが始まり」と久美子さん。ものづくりの経験ゼロから試作を重ね、3年かけて完成させたのがオムツポーチだった。

夫婦とスタッフの計3人で運営する小さな会社なため広告も出せず、身近な知り合いに使ってもらうことからスタートした。やがて口コミで広がっていき、今では全国各地から注文を受けるほどに。出産祝いなどギフト商品として人気という。

新たな挑戦として手掛けたのが、食器5点セット「あんしんな食器」だ。「食べるものだけでなく食器も安全なものを使いたい」との思いから、アルカリに強く、環境ホルモンが溶け出す恐れもない安全な素材を使用。「おもてなし」にあふれた製品やサービスを発掘し国内外に発信する16年度の「おもてなしセレクション」(複数の企業でつくる実行委員会主催)で金賞を受賞した。

「受賞を弾みに、より多くの子育て世代にロンプベイビーの製品を使ってほしい」と話す2人。海外をはじめ、販路を開拓していきたいと意気込んでいる。商品は全国の百貨店や専門店で販売。詳細は公式ウェブサイトで。

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