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(写真・神奈川新聞社)

 

東京電力福島第1原発事故で横浜市に自主避難した男子生徒(13)がいじめを受けた問題で、生徒の代理人弁護士は10日、市教育委員会の第三者委員会がまとめた調査報告書に対する意見書を林文子市長宛てに提出し、子ども間での金銭授受についていじめと認定するよう要望した。再調査を視野に入れた迅速な対応を求めた。

 

第三者委は報告書で菌を付けて名前を呼ばれるなどの行為をいじめと認定。一方、同級生から「賠償金もらっているだろ」と言われた男子生徒が現金を渡した行為は、「おごりおごられ行為そのものはいじめと認定できない」としている。

 

意見書では「加害児童が金員を要求し、被害児童が心身の苦痛を訴えているからいじめは明らか」と主張。男子生徒が同日市長宛てに出した文書には「またいじめが始まると思って、怖くて仕方なくて、いじめが起こらないようにお金をだした」「好きでお金をだしているわけじゃないのに先生は俺のせいにするの?」とつづられている。

 

保護者も弁護士を通じてコメントを発表。市教委は当時の対応を検証する作業を進めているが「今度こそ真摯(しんし)に受け止めて学校や教育委員会のあり方を見直して下さい」と訴えている。

 

林市長は「(男子生徒らの)コメントには大変辛い思いが表れており、初期の段階で寄り添った対応ができなかったことを改めて申し訳なく思う。いただいた内容について精査を行い、スケジュールも含め、今後の対応を早急に検討していく」とコメントした。

 

いじめ防止対策推進法は、第三者委の報告書に対して疑問や意見などがある場合、首長宛てに意見書を提出することができるとしている。

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