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(写真・神奈川新聞社)

 

東京電力福島第1原発事故で、福島県から横浜市内に避難してきた人を対象とした地域交流懇談会が29日、同市旭区の「ぱれっと旭」で開かれ、避難者が生活の悩みや帰宅の不安などを語り、弁護士や福祉関係者らが相談に乗った。NPO法人かながわ避難者と共にあゆむ会の主催。

 

この日は4組の避難者が参加。同県大熊町から同市緑区内に避難してきた女性(77)は、賃貸住宅で1人暮らし。来年3月に同県からの住宅補助が打ち切られると打ち明け、「国民年金だけで、月5万7千円の家賃をどう支払えばいいのか」とため息をついた。

 

同県浪江町から避難し、同市旭区内の団地に住む主婦(43)は、小学4年の娘(10)を連れて来場。「娘の友達はみな横浜で、仲が良い。福島に転校したら、逆につらい目に遭うのでは」と帰宅をためらった。

 

苦しい胸の内を明かす避難者に、「あゆむ会」で活動中の避難者らが寄り添い、励ましていた。またこの日は偶然、同じ団地の同じ街区で暮らす避難者が来場して互いを知り、避難者同士の日常的な交流の乏しさも浮き彫りになった。

 

同会事務局は「2月から3月まで個別相談会を2回、地域交流懇談会を6回、神奈川県内で開催する。一人で悩まず足を運んでほしい」と呼び掛けていた。

 

いずれも参加費無料。問い合わせは同会・電話045(312)1121(内線4142、平日午後1~5時)。

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