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(写真・神奈川新聞社)

 

川崎市立中学校で順次始まっている給食で「和食」の献立作りに役立ててもらおうと、8年連続でミシュラン一つ星を獲得した日本料理店の料理人が5日、市南部学校給食センター(幸区)で栄養士向けに調理の実演を行った。基本となるだしの取り方などを伝授し、一流のプロのこだわりが詰まった和食メニューを披露した。

 

全国農業協同組合中央会(JA全中)が学校給食での米飯推進に向け、和食料理人や食品メーカーでつくる「和食給食応援団」と連携して取り組んでいる活動の一環。市は市立中学全52校での給食実施に向け、1月から自校調理方式の4校で先行導入し、残る48校は給食センター方式で9月と12月から始める。和食メニューの充実を掲げ、米飯を週4・5回以上とするため、献立のレパートリーを増やそうと市教育委員会が講習を依頼した。

 

講師は「御料理 与志福」(東京都世田谷区)店主の高橋憲治さんが務め、自校方式4校と南部、中部、北部のセンターで献立を考える栄養士ら17人が参加。米飯を主食に、主菜は「サケの野菜あんかけ」、副菜は「ひじきと小松菜のおひたし」、汁物は「ナスとタマネギとなめこの赤だし」と、カルシウムが取れる和食献立の調理法を実演してみせた。

 

高橋さんは「だしがしっかりしていれば、少ない調味料で優しい味になる。子どものうちからだしのおいしさを知ってもらうことが大切」と力説し、昆布とかつお節を使っただしの取り方から丁寧に説明。あんかけやみそ汁にもだしが使われ、試食した栄養士らは「薄味でもだしがきいていておいしい」とプロの技に感心していた。

 

9月に稼働する南部センターの栄養士、小田貴子さんは「小学校給食でもみそ汁が残ってしまうのが悩み。魚は肉に比べて調理も難しい」と課題を明かし、「今回習ったことを生かし、だしをうまく活用したおいしい和食を作りたい」と話した。調理の実演後は伊勢原市の米農家の鳥海裕一さんも講演し、米作りへの思いなどを語った。

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