(写真・琉球新報社)
沖縄戦の実相を伝え、戦争のない世の中をつくるため独自に平和ガイドなどの活動を続けていた県内4団体がこのほど、統一組織「わくこえネット」を結成した。高齢化に伴い沖縄戦体験者が年々少なくなる中、会を問わず共に学習し交流することでガイドの会全体の活性化を目指す。会をまたぐ交流は個人間では行われていたが、組織を結成しての交流や共同学習は初めて。
今回呼び掛けに賛同し集まった4団体は県観光ボランティアガイド友の会、県平和祈念資料館友の会、沖縄平和ネットワーク、南風原平和ガイドの会。会によってガイドする対象者が異なっていたり、ガイドをする前の事前学習の有無など、会によって違いがあることからこれまで独自の活動を続けてきた。会が開く講座の内容も異なっている。複数の会に所属している人も多くいる。「わくこえネット」結成を呼び掛けた一人で、自身も複数の会に所属している県観光ボランティアガイド友の会の宮川光世事務局長(61)は「会によって良さがある。一つの組織にまとまることで互いの特色を共有できる。ガイド同士のネットワークも広がるし、高め合うことができる」と話す。
団結を呼び掛けた沖縄平和ネットワーク事務局長の北上田源さん(34)は「沖縄戦の検証と継承は団体だけの問題ではない。団結することで、これから沖縄で起こる問題に立ち向かう力になる。平和教育の充実にもつながる」とし、今回の団結が沖縄戦を語り継ぐ活動だけにとどまらないことを強調した。
関連カテゴリー: