(写真・琉球新報社)
【宜野湾】在沖海兵隊は6日、空中給油訓練中のトラブルで名護市安部の海岸に墜落し、同訓練を停止していた米軍普天間飛行場の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの空中給油訓練を再開した。政府関係者が明らかにした。オスプレイと山口県岩国基地所属の空中給油機KC130が6日午前、普天間飛行場と嘉手納基地から相次いで離陸した。米軍は6日に同訓練を再開すると日本政府に伝達しており、事故原因が完全に究明されないまま、昨年12月13日の墜落からわずか3週間での空中給油訓練の再開となった。
専門家はヘリモードで機体が安定しないため、「固定翼モード」でしかオスプレイは給油できないと指摘している。固定翼モードは回転翼が前方向に向いていることから、今回の墜落の原因となったように給油ホースが回転翼に接触する危険性があるが、在沖海兵隊は給油訓練の詳細について県や報道機関に説明しておらず、県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない。詳細な事故調査が続く中での空中給油訓練の再開に、県民から強い反発の声が上がっている。
嘉手納基地で給油ホースの点検を受けたKC130が6日午前10時32分に離陸、その13分後の同10時45分に普天間飛行場からオスプレイ2機が飛び立った。墜落機とは異なる第262海兵中型ティルトローター飛行隊(VMM262)の所属機だった。別の2機も普天間飛行場で離着陸を繰り返したが、別訓練とみられる。在沖米海兵隊は6日、本紙の取材に「飛行訓練の詳細は公表できない」と回答した。
墜落したオスプレイに空中給油していた機体と同型のMC130J特殊作戦機もこの日、嘉手納基地で着陸後すぐに離陸する訓練「タッチ・アンド・ゴー」を繰り返した。
オスプレイ墜落は昨年12月13日夜に名護市安部の海岸で発生。米軍は安全が確認できたとして6日後の同19日に飛行を再開していた。事故が空中給油訓練中だったため、日米両政府は空中給油訓練は停止すると説明してきた。
米軍は事故原因の調査を継続中だが、4日、日本政府に空中給油訓練の再開を伝えた。防衛省は「妥当だ」として訓練再開を認めた。防衛省は5日、米軍が6日に訓練を再開すると発表し、県や関係市町村に伝えていた。