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「夜間もやってる保育園」のワンシーン(桜坂劇場提供)

 

夜間保育園を舞台にしたドキュメンタリー映画「夜間もやってる保育園」(大宮浩一監督)が、2日から沖縄県那覇市の桜坂劇場で上映中だ。映画では、さまざまな事情で夜間保育園に子どもを預ける親や、親子と向き合う保育士らの姿を追い、多様な家族のあり方や働き方を描いている。那覇市の夜間保育園「玉の子保育園」も登場する。公開に合わせて沖縄を訪れた大宮監督に、映画に込めた思いなどを聞いた。(赤嶺玲子)

 

映画制作のきっかけは、映画にも登場する東京都の夜間保育園の園長からもらった一通の手紙だったという。手紙には「夜間保育園を必要とする人は多いのに偏見を持たれている。夜間保育園の存在を知ってほしい」とつづられていた。園長の思いに共感をした監督は「ありのまま」の状況を見ようと撮影を始めた。

 

現在、全国の認可保育園数は約2万カ所。そのうち夜間保育園の数は約80カ所(園児数約2500人)にとどまる。一方、認可外の夜間保育施設「ベビーホテル」は全国に1749カ所(園児数約3万人)あり、認可園に入ることができない子どもの受け皿になっている。映画ではベビーホテルも取り上げ、子どもの置き去りなど夜間保育園が抱える問題点も率直に描いた。

 

大宮監督は「社会のしわ寄せは子どもや高齢者など弱い立場にいく。今まさに保育を必要としている子どもたちが存在しているのが現実だ。子どもすら守れない社会ならば、この社会が守っていけるものなど一つもない」と強調する。

 

東京を中心に、沖縄や北海道でも取材を重ねた。沖縄では那覇市の「玉の子保育園」を訪ねた。取材を通して見たのは、園児たちが安心して過ごせるようにと奮闘する保育士や、必死に働く親、大勢でにぎやかに食卓を囲みすやすやと眠る子どもたちの姿だった。

 

大宮監督は「夜間保育園を通して見えたのは私たち大人が作った社会の姿だった」と語る。

 

一方、沖縄でも全国と同様に地域のつながりや人間関係が薄れてきていると感じたという。「地縁血縁に基づかない関係性の中で小さな命をどう守っていけるのか。考えるきっかけになれば」と映画に込めた思いを語った。上映は来年1月5日まで。