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2017年度の教科書検定に合格した高校英語コミュニケーション英語3の教科書に、沖縄の伝統料理「豆腐よう」が「放射性廃棄物を食べているよう」と記述されていたことが29日までに分かった。発行元の文英堂は「誤解を招く恐れがある」として文部科学省に同日、該当部分を削除する訂正申請を行った。

 

教科書ではイギリス人の一家が長寿の里として知られる大宜味村を訪れ、食文化を体験する様子などをつづっている。豆腐ようを食べた感想を英語で「ブルーチーズと放射性廃棄物を足して2で割ったものを食べたよう」と表現した。総コレステロールの低下に効果があるとしながらも「私は高いコレステロールの方を選ぶだろう」と記した。

 

文英堂の担当者は「異文化の題材として選んだ」と説明しつつ「沖縄の皆さまにご迷惑を掛ける内容を載せたのはこちらのミスで、申し訳ない。チェック体制の強化で再発防止を図りたい」と謝罪した。文科省は「筆者の感想であり、事実として書いたわけではないので、修正は必要ないとの判断だった」と説明している。

 

大宜味村で郷土料理を提供する「笑味の店」の店主・金城笑子さん(69)は、5、6年前にイギリス人ライターの取材に応じた記憶があるという。昨年、文科省から教科書に掲載されるという報告があった。金城さんは「内容までは分からなかった」と話し「食文化への尊敬の気持ちが足りない。口に合う、合わないはあるが、例えがあまりにもひどい」と指摘した。地域の料理を大切にしている一人として「食べ物は文化の一つだ。それぞれの好みはあるものの、表現はもう少し考えるべきだった」と語った。

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