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試合後、具志堅用高会長(左)と野木丈司トレーナー(右)に支えられて控室に戻る比嘉大吾=15日、横浜アリーナ(大城直也撮影)

 

15日の世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王座決定戦の前日軽量で体重超過により王座を剥奪された比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツ=に、日本ボクシングコミッション(JBC)からライセンス無期限停止処分が下された。沖縄県内のボクシングジムの会長らは「あまりにも厳しい」との声や、世界戦における日本人選手初の事例だからこそ「重めの処分になった」などの意見もあった。一方、救済策を残した処分内容を「妥当」と捉え、ファンと共に比嘉の復活に期待する声も挙がった。

 

比嘉大吾のライセンス無期限停止処分について、かつての王者や、県内ボクシング関係者からは様々な意見が飛び出した。

 

具志堅用高氏の興南高校時代の先輩・仲井真重次氏(琉球ジム会長)は、23日に具志堅氏から電話があった。具志堅氏は「(減量で)大失敗した。夏ごろに沖縄で予定していた試合もできない」とがっかりした様子だったという。仲井真氏は、処分について「あまりにも厳しいが、王者に限らずプロは減量をクリアするのが当たり前」と言い切る。「比嘉選手にはこのことを一つの経験としてこれからを頑張ってほしい」とエールを送った。

 

1975年、WBCジュニアフライ級世界王座に挑んだことのある島袋武信氏(島袋ボクシングジム会長)は「最近は体重を無理矢理落として前日計量に臨み、試合当日に5、6キロ増やす選手が多い」と問題視する。選手にとって適正な階級は「普段の体重から5キロ増減がベスト」と話す。比嘉へ「ファンや周りの方々にしっかりと謝罪し、立ち直ってほしい」と願った。

 

一方、元WBAスーパーライト級王者・平仲信明氏は、比嘉の処分について「この処分は妥当」と話す。「薬物違反で処罰を受ける訳ではない。世論によって半年や1年で処分が終わるかもしれない」と予測する。制度改変についても触れ、「前日計量の1週間前にあらかじめ計量を行い、血液検査もするなど、もっと選手の体をいたわるルールができないといけない」と話した。

 

比嘉の宮古工業高時代の恩師、知念健次監督は「JBCも日本人選手として、最初の事例が肝心と判断し、重めの処罰になったのだろう」と考察する。比嘉の高校時代の減量について「ちょこちょこ危ない時があった。周囲の人がしっかり見てないといけない」と話す。「大吾は王者に登りつめるのが早かったから、これからはゆっくりボクシングをやればいい。神様も休んでおけと言っているだろう。やる時にしっかり頑張って、真の王者になってほしい」と教え子の再起を願った。

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