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沖縄の文化や歴史を笑いながら学べる人気の舞台「おきなわ新喜劇」。うちなーぐち・風習・音楽などの沖縄らしさと笑いの本場・大阪の吉本新喜劇の魅力をチャンプルーした、エンタテインメントショーです。毎週日曜日に「よしもと沖縄花月」(那覇市前島)で公演が行われている他、2014年から全国ツアーを実施。今年は沖縄との縁の深い「ハワイ」をテーマに、沖縄をはじめ東京・大阪、そしてなんとハワイに飛び、公演を行います。

 

11月の沖縄公演を前に、「ありんくりん」のクリスとりゅうたが共演者で大先輩の「ガレッジセール」ゴリと川田を直撃! 「第5回おきなわ新喜劇ツアー<心がつなぐアロハイサイ!>」にかける思い、見どころなどを聞き出します。

 

ありんくりん、二代目座長に決定!?

 

クリス:新喜劇メンバーについて、感じていることを教えてください。

 

川田:頑張り屋さんの仲地智子が、メキメキと力を付けてきていてうれしい。いつも稽古しているよね。入ってまだ半年くらいだけど、努力する人はやっぱり報われるって思うね。

 

りゅうた:彼女はオーディションで受かったメンバーですよね。

 

川田:智子はオーディションにネタをいっぱい持ってきてた。心配なのは、福田加奈子さんの体調(笑)。東京公演の時に疲れ切っていて大丈夫ですかと聞いたら、しんどかったって。沖縄のオバーを見事に演じる貴重な存在だから、体には気をつけてほしいです。

 

ゴリ:新喜劇メンバーは、ツアーになるとテンション上がりがちだよね。旅行感覚が強い。

 

りゅうた:はい、そうです(笑)

 

クリス:楽しいんですよ(笑)

 

ゴリ:東京ではあっち行きたい、大阪行ったらあれ食べたいとか。ハワイ行ったら自由時間はどのくらいかとか。公演内容ではなくて、遊ぶことばっかり考えているよな。

 

りゅうた:その通りです(笑)。

 

ゴリ:毎週日曜日の沖縄花月の出番よりも、ツアーになると「笑顔増えがち」っていうイメージ(笑)。

 

クリス:座長からすると、それってどうなんですか?

 

ゴリ:座員がやりがいを感じる場所を提供するのは、いい環境だと思っている。たくさんのお客さんを前に演じて、いろんな所にも行けると次もがんばろうっていう気持ちになるし。そういう環境を見て「俺も新喜劇に入りたい」って若い人に思ってもらえたら活性化になり、いいことだと思っているけどね。

 

クリス:芸人仲間がうらやましがっています。

 

ゴリ:だってそうでしょ! 「全国のあっちこっちに行けていいな」、みたいになるわけでしょう。

 

りゅうた:はい、ありがとうございます。

 

クリス:東京では舞台でネタをやらせてもらったりして、経験値はかなり上がっていると感じています。僕たち「ありんくりん」のことはどう見ていますか(笑)?

 

川田:もう大丈夫、もう滑ることないって安心しています。

 

ゴリ:成長が早いよね。新喜劇をやり始めたのは芸歴1年目くらいから?

 

クリス:養成所の後半くらいだったので、まだ見習いでした。

 

ゴリ:最初はガチガチで立ち位置も悪くて、ひとつずつ説明しないと足が固まって動けなかった2人…。俺がアドリブ言った瞬間、りゅうたなんて目を丸くしてさ~。

 

りゅうた:はい、死ぬかと思いました(笑)。

 

ゴリ:今やもうアドリブきても返していくし、自分たちでアドリブもする。ありんくりんは、とっても頼もしい座員! 新喜劇の軸になっているし、なくてはならない存在だね。

 

川田:僕もそう思います!

 

クリス&りゅうた:ありがとうございます!

 

クリス:今後の成長も期待しているってことですね。

 

ゴリ:もちろん。この夏には「お笑いバイアスロン」で優勝したし、コンビとしても腕が上がってていいんじゃない!

 

川田:早くもっと、テレビにたくさん出てほしいな~。

 

ゴリ:でも有名になって上京した後に、おきなわ新喜劇に出なくなるようなら寂しいな…。

 

クリス&りゅうた:やっぱり東京に出た方がいいんですかね?(笑)

 

川田:売れたらやっぱり東京でしょ。

 

ゴリ:東京行ってめっちゃモテたらどうする? そのまま進出する? それでも沖縄残る?

 

りゅうた:モテたいので進出です!(笑)

 

クリス:決断早さよ!(笑)

 

ゴリ:ほらもう、これは新喜劇抜けるよ!(笑)

 

クリス:話を戻し、「おきなわ新喜劇」は仕事上どのような位置に置いていますか?

 

ゴリ:沖縄に恩返しがしたい、という思いだけで立ち上げたプロジェクト。俺が生きている間に、絶対残したいもの。でも俺はずっといなくていいと思っている。新しい子たちが入ってきて「吉本新喜劇」のように何十年も、何百年でも続けてほしい。作家や演者をいっぱい入れてシステムを早く作りたい。観光客の方にも来ていただいて、毎日満員にしたいと考えながらやっている。だから、ありんくりんがみんなを引っ張るようになってきたら、座長になってほしい! そしたら安心だから俺辞めるもん。

 

クリス&りゅうた:えっ!?

 

川田:やっぱり沖縄の文化になってくれたらうれしいね。沖縄に来たら「おきなわ新喜劇」を見に行くっていうのが定番になるくらいに育ってほしいかな。

 

県民もハワイ移民も笑ってもらいます!

 

クリス:「第五回 心がつなぐアロハイサイ」の沖縄公演が近付いてきました。見どころを教えてください。

 

ゴリ:ハワイ公演も決まり、ハワイ移民のみなさんが戦後の沖縄に向けた思いをしっかり伝える内容にしようと、作家さんと深く話し合いながら台本を作りました。沖縄県民はもちろん、ハワイ移民のみなさんも喜んで笑ってくれるように意識しています。県内・東京・大阪、そしてウチナーンチュが移民として最初に渡ったハワイで公演できるのが光栄です。でも満足で終わらず、世界に渡っていった勇気ある沖縄移民のコミュニティーがある場所は、継続して訪ねたいです。南米でも「おきなわ新喜劇」を見てもらいたいんです!

 

りゅうた:ハワイの方たちがどんな風に見るのか、ドキドキしています。毛深い僕はよく胸毛を見せてますが、ハワイでは普通かもしれませんね。

 

ゴリ:そうだね。沖縄だったらウケる場面だけど、ハワイでは削った方がいいね。「なに?」って思われ、笑いがズレると嫌だしね。海外の人は「なんでやねん!」ってツッコミで頭を叩かれるのは好きじゃないって聞いたことがあり、叩くアクションは減らしている。それでも作った内容に自信を持ってやるしかないよね!

 

川田:主役のゴリセクシーを筆頭に、いろんな方向からボケていく楽しさだよね。そしてゲストの「きいやま商店」の歌を聞いて元気になれる! お笑いも楽しめて歌も聞けるっていうのが見どころだよね。みなさん、思い切り楽しんでください!

 

クリス:最後に、僕とりゅうたが思う見どころを宣言します。まず僕のお父さんはアメリカ人で日本語は片言しか話せませんが、東京公演を見て「めちゃくちゃ面白い!」って言っていました。ハワイ公演があるって報告したら「Very Good!」って喜んでくれました。アメリカにはない新ジャンルみたいです。沖縄公演では「おきなわ新喜劇の確立」をみなさんに見せつけたいです! 熱い思いでやっていますから!

 

ゴリ:へぇ~、クリスのお父さんってアメリカ人なんだ。知らなかった(笑)。そんな風に思ってもらえたのはうれしいね。

 

川田:良かった! アメリカ人が見ても、めちゃめちゃ面白い「おきなわ新喜劇」!

 

ゴリ:幅広い方に楽しんでもらえるように意識していたから、クリスのお父さんが問題ないなら大丈夫かも。ちょっとホッとするな。で、クリスの思いは? 薄~いコメントしないでよ(笑)。

 

クリス:薄くてもいいでしょう!(笑) 全国ツアーは、ガレッジセールさんだからできること。僕たちが言ってもできる訳ないです。ガレッジセールさんがやってくれることに、めちゃくちゃ感謝しています。心からありがとうございます!

 

りゅうた:僕なんか大きい舞台で1人で三線を弾かせてもらう機会をいただき、本当に貴重なツアーです。セリフも多めですし、ありんくりんだけの時間も作っていただき、とてもうれしいです!

 

川田:2人のキャクターだよ! 急に東京進出しますとか言うなよ。言われたら酒飲む量が増えるからな!(笑)

ゴリ:川田がプレッシャーかけたね。キャラと実力がセリフの多さに反映されていると思うし、2人のキャラクターは他にいないから貴重です。おきなわ新喜劇を大きくして2人に引き継ぎたいという思いがあるので、ありんくりんには頑張ってもらいたい!

 

クリス&りゅうた:わかりました。今日はありがとうございました!

 

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【インフォメーション】
「第5回おきなわ新喜劇ツアー 心がつなぐアロハイサイ!」

 

【日時】
那覇公演:11月6日(火)・7日(水)18:30開場/19:00開演@琉球新報ホール
石垣公演:11月28日(水)18:30開場/19:00開演@石垣市民会館大ホール

【出演者】
ガレッジセール、普久原明、福田加奈子、宮川たま子、ありんくりん、田仲メリアン、宝眞榮日也美、仲地智子

 

【ゲスト】
きいやま商店(国内公演のみ)

 

【チケット料金】
前売3,500円/当日3,900円(中学生以下 前売3,000円/当日3,500円)
※石垣公演のみ全席自由、ほかは全席指定席

 

【お問い合わせ】
ピーエムエージェンシー 098-898-1331

【ホームページ】
http://okinawa-shinkigeki.com/

 


執筆:饒波貴子(フリーライター

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。

 


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