沖縄の現実映画に 東京芸大大学院生ら製作 故福地曠昭氏孫が監督
東京芸大大学院生らが沖縄をテーマに製作した映画「汀にて」をPRする監督の福地リコさん(右)とプロデューサーの徳永理仁さん=29日、東京都の琉球新報社東京支社

 

【東京】東京芸大大学院の学生らが沖縄を舞台に製作した映画「汀(みぎわ)にて」(福地リコ監督、徳永理仁プロデューサー)がこのほど完成し、31日に東京都渋谷区のユーロライブで初上映される。沖縄出身のシングルマザーの古里沖縄を訪れた主人公玲央(れお)(7)の視点から、中央の日本から見える沖縄のイメージと現実とのギャップや、沖縄の中での世代差、貧困問題などを描く。

 

監督の福地さん(25)は、沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会の会長を務めた故福地曠昭さんの孫。フィルムを集める祖父の背中を見てきたこともあり「辺野古の問題や貧困の問題など沖縄の社会問題を取り上げて映画に描きたいと思った」と製作動機を語った。今後は県内での上映も目指す。

 

映画は35分。恩納村や沖縄市、豊見城市の旧海軍司令部壕で、沖縄の役者やモデルを中心に撮影した。映画中では「辺野古基地所属の大型輸送ヘリが墜落、米兵1人が行方不明に」とのニュースが流れる中、沖縄の子どもと仲良くなった主人公の玲央が行方不明になり、離れ小島で米兵の幽霊と出会う。

 

リコさんにとっては監督2作目。「沖縄といえば『明るい南国。独特の文化があり、人は優しく、癒やしてくれる島』といった表象が嫌だった。私が写せるのは、海も空もちょっと暗く、コザの商店街もシャッターが閉まっている現実の沖縄。『これが本当に沖縄なの?』と思わせるのが狙い」と語る。

 

福岡県出身のプロデューサー徳永さん(28)は「沖縄といえば南国で明るいイメージ。でも現に辺野古も見たり、いろいろ聞く中で感じることもあり、福地さんの映画で何か協力したいと思った。沖縄でも上映したい」と話した。

 

映画「汀にて」は31日午後2時から、東京渋谷区のユーロライブで上映される。入場無料、全席自由席。

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