沖縄総合事務局は26日、首里城の火災時に正殿の内外を撮影した防犯カメラ4台の映像を公開した。煙を感知した人感センサーの作動を受け警備員らが消火器による初期消火を開始したのはセンサー作動から18分後だったことが映像から分かった。消防が正殿に放水を開始したのはセンサー作動の約30分後で、その時点で火元とみられる正殿北東部から南側にも火は広がっており、初期消火に苦慮した様子がうかがえる。
正殿北東側の屋根の軒伝いに横一線に火が燃え移り短期間で燃え広がる様子が確認できる。人感センサーが作動する約3分前、正殿内で何かが小さく発光する瞬間も写っていた。
園内68台の防犯カメラのうち、火災の様子を映した正殿内1台、外部3台の計4台のカメラ映像を編集した。同日に開かれた首里城復元に向けた技術検討委員会委員の防災ワーキンググループ会議で公開された。
初期消火がセンサー作動から18分を要したことについて、国営沖縄記念公園事務所の鈴木武彦所長は「警備員らは消火器を持ち、どこで使おうか見定めていた」と話した。同委員長の高良倉吉琉大名誉教授は「(火災に)気付いた時には手が付けられなかったことが映像から分かる。改めて初期消火がいかに大事かと感じた」と語った。
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