全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部のウェブ会議に参加する玉城デニー知事=12日、県庁 画像を見る

 

■コロナ全国知事会

 

全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部ウェブ会議での玉城デニー知事の発言が波紋を呼んでいる。玉城知事は県外からの移入例を防ぐため、出発空港で発熱などの体調不良者に対して航空会社が搭乗拒否できるよう国に法整備を求めた。一方、航空会社の関係者らは「難しい」「法律で決められたらやるしかないが、できるのか」と困惑する。県によると、知事の発言は庁内でしっかり議論されたものではなく「国に水際対策を徹底してほしいという趣旨の一環」という。観光業界の代表は「県庁内だけで決めるのはよくない。経済活動の再開・回復に向けて、観光、医療関係者と県の協議の場を設けるべきだ」と指摘する。

 

■聞いていない

 

玉城知事は12日のウェブ会議で他県の知事と同様、国の緊急事態宣言解除に伴う県境をまたいだ人の移動に危機感を示し「沖縄への移動は航空路が主な手段。緊急事態宣言解除に向けて水際対策の強化が重要だ」と強調した。

 

全国知事会の緊急提言には、少なくとも緊急事態宣言の発令期間は「『発熱時の交通事業者等による搭乗制限』など、引き続き国において強力な措置を講じること」と記され、政府に13日、提出された。

 

航空会社の関係者は知事の発言に「そのような話は聞いていない。法整備されるのであれば従うことになるが、難しい」と語る。検温方法や発熱者の案内場所、医療機関など「いろいろな組織が関係するので、しっかり整理しないといけない。沖縄に到着する人だけではなく、出て行く人も対象になるのでは」と疑問を呈した。

 

別の関係者は「ただの風邪なのか感染症に感染しているのか、どういった症状の発熱者なのかも分からないので一律に拒否は難しい」と指摘した。海外航空会社の関係者は「実効性に欠ける。搭乗を断った人のチケットを払い戻すとしても、対応できるのか。関係者に話を聞いて慎重に決めた方がよい」と述べた。

 

■行政がやるべきことを

 

国の緊急事態宣言解除が迫る中、感染拡大防止と疲弊した経済の回復に向け、何が必要か。下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長は「少なくとも5月中に空港での対策を目に見える形でやらないとリスクは避けられない」と指摘。航空会社の対応より、まず行政がやるべきことがあると説明する。

 

現在、県内の空港は到着口にサーモグラフィーを設置し、健康相談窓口の連絡先などを記載したチラシを配布している。観光業界は、国際線の検疫対応を国内線でもできるようにしたり、空港内で行政が旅客に一定の協力を依頼したりするなど、県と国が連携した水際対策の強化を求めている。

 

下地会長は、ホテルや航空会社の今後の受け入れ対策など、県が観光業界、医療機関と協議の場を設ける必要性を強調する。観光立県・沖縄が「命と経済、両方をクリアする、これまでのレベルを超えた危機管理に直面する中、県民や来訪客の安心安全を守りながら県経済を回復させる難しいステージに入っていく」と指摘した。 (座波幸代、中村優希)

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