石垣陸自 工事を再開 住民ら不信、疑問の声
石垣市の陸自駐屯地建設現場

 

【石垣】沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は10日、駐屯地建設工事を再開した。同日、周辺に大きな工事音は響かなかったが、繁殖期が終わるまで中断を求めていた市民団体は再開の判断を疑問視した。周辺住民は工事音の発生を懸念した。予定地周辺で国の特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして、工事は5月20日から中断していた。

 

防衛局は有識者の意見や市との協議を踏まえ、営巣活動が確認された場所の周辺では「突発的な音が生じる岩石破砕作業を、一時的に控える」など対策を講じる。市文化財課によると、営巣活動が確認されて以降、市は防衛局の有識者とは別に市内の専門家2人から意見を聴取した。専門家が「防衛局の対策でカンムリワシが巣を放棄する可能性は低くなる」との認識を示したため、市は8日に防衛局に再開了承を通知した。

 

石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会共同代表の嶺井善さん(54)は「有識者が誰かなどは情報公開するべきだ。カンムリワシは周辺のいくつかの地点で確認されており、分からないことも多い。その中でこのような対策で良いのかは疑問だ」と話した。

 

工事の中断前まで、周辺住民は岩を砕く作業音に悩まされていると防衛局や市に訴えてきた。予定地近隣の開南地区の公民館長を務める小林丙次さん(58)は「これからどんどん暑くなるが、ずっと冷房をかけるわけにもいかない。暑い時にガンガンと響くあの音は相当しんどい。騒音対策もせず、騒音データすら出さないのはあまりにも配慮に欠ける」と、防衛局への不信感をあらわにした。

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