火災があった危険物取り扱い施設の屋根は黒く焦げ、中央部はくぼんでいる=24日午前、米軍嘉手納基地 画像を見る

 

米軍嘉手納基地は24日、化学物質を保管する危険物取扱施設で起きた22日の火災により、人体に悪影響がある塩素ガスが一時、空気中で施設から約300メートルの範囲に渡って漂ったと発表した。米軍は沖縄防衛局に対し、塩素ガスは基地外の周辺自治体には流出しなかったと説明しているという。

 

一方、消火に使用した水や大雨で危険物質の残留物が雨水排水路に流入した可能性があるが、排出口での調査の結果、異常は検知されなかったという。米軍は当初、煙や塩素ガスにより日本人は含まない米軍関係者45人が喉や目に痛みやかゆみなどの軽症を負ったとしていたが、人数は約100人に修正した。火災原因は調査中。

 

症状を訴えた約100人に日本人従業員が含まれるかどうかは不明だが、全駐労空軍支部によると「火災発生時、臭いがきつかった」と訴えた従業員がいた。火災発生時は規制区域内で働いている全従業員は自宅待機を指示された。嘉手納基地は「出火原因の徹底調査、環境や健康への影響に対する継続した監視などが実施される」とした。

 

一方、公明党県本(金城勉代表)は24日、嘉手納町の沖縄防衛局に田中利則局長を訪ね、抗議した。抗議文では原因究明の徹底と再発防止策を公表することなどを求めた。23日に共産党県委も沖縄防衛局に抗議した。田中防衛局長は「米側に引き続き追加的な情報提供、原因究明と再発防止を申し入れている」と述べた。

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