壺屋のやちむん通りなどを巡るオンラインツアーの画面。ガイドが窯を紹介している(セルリアンブルー提供) 画像を見る

 

新型コロナウイルスの感染拡大で旅行控えが進み沖縄への旅行者も例年に比べ減少する中、旅行代理店のセルリアンブルー(那覇市、砂川盛潤社長)は自宅で沖縄を楽しめるオンラインツアーを企画、販売している。ビデオ会議システム「Zoom」のオンライン会議機能を活用し、ガイドが現地の様子を生配信する疑似旅行。同社は「新しい観光の形にしたい」と話している。

 

■一体感好評

 

今月から実施しているモニターツアーは、歌って踊れるバスガイドが古宇利島、万座毛などを案内する北部観光バスツアー、那覇市観光協会のまちまーいガイドと巡る壺屋やちむん通りとスージグヮー、琉球歴史研究家の賀数仁然さんと巡る首里城ミステリーツアーなどのコースがある。一部で通信状況などの改善点はあったが、参加者からは「オンラインでも一体感を得ることができた」と好評だという。

 

新型コロナの影響で世界的に実際の旅行需要は激減しているが、既に海外や県外ではオンラインツアーが多数販売されている。赤嶺弘也営業係長は「沖縄に来たくても来られない人が大勢いる。その人たちと沖縄をつなげ、コロナが収束したら実際に沖縄に来て見て肌で感じてほしい」と話す。今後はツアーで訪れる場所で味わえる商品を事前に送り、県産品の消費にもつなげたい考えだ。

 

■収益化の仕組み

 

セルリアンブルーのオンラインツアーはZoomと連携したamply(アンプリー)というサービスを使っている。アンプリーはイベントページ作成、決済、当日のリマインド機能、イベント開催までをワンストップで行える。

 

開発したtrevary(トレバリ、那覇市)の金城辰一郎CEOは、コロナ禍でイベントやセミナーがオンラインに変わったが、有料イベントは料金徴収に別の仕組みが必要となり、主催者の手間になっていることに注目。「ズームと連携し、ワンストップで行うことができればオンライン体験を簡単に収益化できる」と、エンジニア、デザイナーと3人で約1カ月で作った。

 

金城CEOは「オンラインは五感で得られる体験には及ばないが、オンライン体験を増やすことで中長期的な来訪者増加につながる。県内事業者のヒントになれば良い」と話した。
(玉城江梨子)

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