側溝から救出した子猫を抱く嘉手納敦美さん=1日、那覇市天久の自宅 画像を見る

 

【那覇】8月30日午前9時ごろ、那覇市天久の国道58号沿いの側溝に子猫が入り込んでいるのが見つかった。那覇市の会社員、嘉手納敦美さん(31)が出勤時に足元からの鳴き声に気付き、周囲の人と約9時間をかけて救出した。台風9号が接近する中、子猫の命の危険を感じた嘉手納さんは会社に休暇を申請し、救出活動に取り組んだ。子猫は嘉手納さんが飼うことになった。

 

嘉手納さんは子猫を見つけた後、別の猫を飼っている近所の男性に応援を要請した。男性は猫をおびき寄せるための餌などを持ち寄った。近くのスポーツジムの利用者や店員、嘉手納さんの友人も駆け付けた。

 

子猫は人の気配におびえてか動こうとせず、そのためペット用のキャリーケースに餌を入れて側溝に設置した。ケースのそばにスマートフォンを置き動画中継する形をとり、子猫が自らケースに入っていくのを離れた場所から見守った。やがてケースに入った子猫を無事保護した。

 

動物病院に連れていくとけがはなく、生後3~4週間の雌だった。嘉手納さんは既に2匹の猫を飼っており、子猫を新たな家族に迎えた。発見場所の近くにあるスポーツジムにちなみ「コナミ」と名付けた。嘉手納さんは「休暇をくれた理解ある上司や助けてくれた皆さんのおかげで命を救えた」と話した。
(島袋良太)

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