チェックイン時の検温や消毒、フロントのアクリル板設置など感染対策を取る=11日、パシフィックホテル沖縄 画像を見る

 

政府が「GoToトラベル」の対象地域に東京都を追加する方針を決めたことを受け、県内の観光業界は県独自の緊急事態宣言が明けたタイミングでもあることから、観光客の来県増に期待を高めている。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は「沖縄を回復させていく重要な時期」(下地芳郎会長)として、誘客に力を入れていく。一方で、首都圏との人の移動が活発になることで再び感染が拡大する可能性もあり、空港での水際対策強化などを行政に求める声が出ている。

 

ベッセルホテルカンパーナ沖縄(北谷町)は、国内客のうち東京方面の客が半分を占める。8月の客室稼働率は2~3割にとどまり、9月の予約もまだ鈍い。だが、GoTo事業に東京が追加となれば回復に期待を抱けるという。

 

ベッセルホテル開発の瀬尾吉郎社長は「旅行客に対するウエルカムなメッセージを県から出してほしい。沖縄に行っていいのかどうか迷う声を聞く」と話し、観光客を迎え入れる雰囲気作りを求める。

 

東京方面を中心にGoToトラベルの利用が活発化することを見込み、それぞれの施設での感染防止対策も進んでいる。

 

パシフィックホテル沖縄(那覇市)はビュッフェでトングを廃止し、密になりがちなホテル内のバーは当面休業としている。エレベーター内の人数を制限し、ホテルの至る所に消毒液や次亜塩素酸の噴霧器を設置するなど、できる限りの対策を実施してきた。客や従業員から感染者は出ていないが、それでも感染リスクへの警戒を強める。

 

國吉眞和総支配人は「このままでは企業が持たないので(市場を)動かしていくしかないが、感染を恐れる従業員も多い。観光従事者へのPCR検査を支援してほしい」と要望した。

 

こうした中でOCVBのウェブサイトでは11日から、玉城デニー知事が「感染防止対策に努めて、うとぅいむち(おもてなし)の心でお迎えします」と呼び掛けるビデオメッセージの掲載が始まった。那覇空港で到着便に合わせてミス沖縄らが旅行者を出迎え、新しい旅のエチケットを呼び掛ける取り組みなども検討している。

 

一方で航空関係に勤務する男性は、那覇空港にサーモグラフィーや「旅行者専用相談センター(TACO)」などが設置された後も県内で感染者が急増していることから、県をはじめ行政の水際対策の効果に疑問を感じている。

 

男性は「今後第3波が来た時もまた慌てて自粛を求められると困る。空港での検査体制を強化するなど玄関口で止める対策が必要ではないか」と指摘した。

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