【東京】政府が、沖縄の泡盛などの国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を目指す方針を固めたことが9日までに分かった。菅義偉政権で、成長につながる改革を具体化することを目的に設置された「成長戦略会議」の施策案に初めて明記した。施策案は6月中にも取りまとめられ、文化庁内での検討を経て、早ければ2024年に審査される見込みだ。
政府は、2日開催の成長戦略会議で配布した「成長戦略フォローアップ案」の中で方針を初めて明記した。海外での評価が期待できる日本の文化を「クールジャパン」と定義。その中で、「日本産酒類の一層の輸出拡大」を目標に掲げた。ブランド価値向上の支援に取り組む施策の一環として「日本酒、焼酎・泡盛などの文化資源についてユネスコ無形文化遺産への登録を目指す」とした。
内閣官房によると、同案は政府の施政方針に沿って、6月中に最終決定する見込みとなっている「実行計画」の具体的な施策が記されているという。
菅首相は1月の施政方針演説で「日本酒、焼酎などの文化資源について、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指す」と表明していた。政府関係者によると、当初から申請対象には泡盛も含まれていたが、政府方針を明確化するために「泡盛」を加えたという。
文化庁によると、ユネスコによる日本の候補の審査は、2年に1回行われるのが通例。3月に、各地に伝わる豊作祈願や厄払いの踊り「風流(ふりゅう)踊」が審査候補として提案され、22年に審査される見込みとなっている。
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