(写真:アフロ)

羽生結弦(23)がまたもや世界を沸かせた。

 

11月16日に行われたグランプリシリーズ・ロシア大会のショートプログラム。羽生はすべてのジャンプをノーミスで決める完璧な仕上がり。フィンランド大会に続き、2大会連続で世界最高得点を更新した。続くフリーでは練習中ケガにみまわれるも、1位に輝いた羽生。王者の貫禄を見せつけ、会場は割れんばかりの拍手に包まれていた。

 

今大会の優勝により、グランプリファイナルへの切符を手にした羽生。5度目の優勝がかかった大舞台だが、一足先に進出を決めた一人の日本人選手がいた。宇野昌磨(20)だ。一部では羽生と宇野の対立を煽る記事も出ており、波紋を呼んでいた。“宇野が羽生に代わってトップに君臨するのでは”“実力的には宇野が羽生を抜いている”といった内容で、賛否両論が巻き起こっている。

 

「たしかに宇野選手は今絶好調です。カナダ杯に続いて、先日行われたNHK杯でも優勝。課題だったジャンプのクオリティにも磨きがかかり、成長めざましいといえます。しかしだからといって羽生選手との仲が険悪になっているというわけではありません。むしろ宇野選手の成長が、羽生選手を強くしているのです――」(フィギュア関係者)

 

ジュニア時代から脚光を浴びていた羽生。宇野は、その後を追いかけ続けてきた。羽生もそんな宇野のことを弟のようにかわいがってきたという。

 

「ジュニア時代は、幼い宇野選手の面倒を羽生選手が見てあげていました。平昌五輪で宇野選手が銀メダルを取ったときも、『一生懸命やっている姿を小さい頃からずっと知っているので、真面目にやってきた分、結果が出たのは素晴らしいこと』とわがことのように喜んでいました。シニアになってからも、それは同じです。羽生選手と宇野選手は『しょうま』『ユヅくん』と呼び合う仲。隣り合ってじゃれあう姿もたびたび目撃されていました」(前出・スポーツ紙記者)

 

そんななか、宇野の心境に変化が表れたのが、昨年の世界選手権だった。

 

「羽生選手に続く銀メダルに輝いた宇野選手が『僕のスケートの唯一の目標は、羽生選手に勝つこと』と話すようになったんです。これまでの彼は、勝つことよりもいい演技をすることに注力していました。そんな宇野選手が、羽生選手にだけは負けたくないと言うようになったのです」(前出・フィギュア関係者)

 

その言葉通り、宇野は強くなった。しかし羽生はそのことをむしろ歓迎しているという。

 

「これまで、羽生選手はずっと孤独でした。実力がずば抜けていて、国内では誰もが“神”のように敬う。しかし彼は本来、追い込まれると燃えるタイプ。ライバルがいたほうが、成長できるのです。そんななかで宇野選手が『勝ちたい!』と言ってきた。羽生選手は、それが素直にうれしかったようです。だから宇野選手の『勝ちたい』宣言に対し、『これからもいっしょに頑張ってフィギュアを盛り上げていこう』と語ったそうです。それは、ライバルだけができる“王者決戦の約束”でした」(前出・スポーツ紙記者)

 

実際、宇野の成長と比例するかのように羽生の強さもさらに際立つようになってきる。ロシア杯でも、圧倒的な強さをみせていた。

 

「羽生選手が今シーズンの最大の目標に掲げている4回転アクセルも、その影響があるのでしょう。快挙を成し遂げることで『まだまだ負けない!』と伝えたいのです。羽生選手は『しょうまがどこまで強くなっているか楽しみ』と考えているようで、グランプリファイナルでの対決に意欲を燃やしています」(前出・フィギュア関係者)

 

前出のロシア杯の会見では「悔しさがメラメラなので、これからまた頑張ります」とも語っていた羽生。12月6日開幕のファイナルでは、さらに熱い戦いを繰り広げてくれそうだ。