シリーズ人間の東日本大震災に関する話題
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「かつて暮らした場所が今は原生林のように…」浪江町・津島地区の83歳主婦が被災地を撮り続ける理由
2025/03/12 11:00「つい先週の日曜日、2月16日にも、浪江町・津島の元の自宅を夫婦で訪ねてきました。これまでも荒れ果てたふるさとの様子を写真に撮ってきましたが、わが家の田んぼが、まるで原生林のようになりつつある光景を目の当たりにし、原発事故前の光景とのあまりのギャップに愕然としたんです。カメラを手にしたまま、しばらくその場に立ちすくんでしまいました……」そう語るのは、福島県安達郡大玉村在住の主婦カメラマンの馬場靖子 -
防護服を着て被災地の写真を撮り続ける83歳主婦「復興の掛け声から取り残された人がいる現実伝えたい」
2025/03/12 11:00【前編】「かつて暮らした場所が今は原生林のように…」浪江町・津島地区の83歳主婦が被災地を撮り続ける理由から続く「自宅へ戻りたいときは、前もって一時立入り受付コールセンターに連絡して、訪問場所、目的、人数、車種などを申請します。許可が下りると、スクリーニング場で防護服や線量計、トランシーバーなどを支給され、目的地に向かいます。そして自宅でパソコンやアルバムなど必要なものを探したりして、午後3時半ま -
小さな葬儀社がみた3.11「東日本大震災で亡くなったご遺体はお顔だけが驚くほどきれいでした」
2024/03/11 11:00【前編】孤独な遺体を受け入れ続ける夫婦2人だけの葬儀社の覚悟「身寄りがない方も私たちがお見送りします」より続く葬儀社が福島県いわき市にあるいしはら葬斎。石原きみ子さん(63)と充さん(68)の夫婦2人だけで営む小さな葬儀社だ。2010年に創業した同社は、生活保護を受けていた人の「福祉葬」を安価に引き受けたことをきっかけに、身寄りのない人や生活保護を受けていた人、さらに事件や事故の犠牲者、自殺者など -
孤独な遺体を受け入れ続ける夫婦2人だけの葬儀社の覚悟「身寄りがない方も私たちがお見送りします」
2024/03/11 11:00誰にもみとられず、自宅などで亡くなる人は年間約3万人もいるという。また総務省によると、2018年4月からの約3年で、遺体の引き取り手がなかった死亡者は10万5773人にも上った。けっして、珍しいものではなくなった孤独な死。そうして亡くなった人に寄り添い続ける葬儀社が福島県いわき市にある。いしはら葬斎。夫婦二人だけの小さな葬儀社の電話は今日も鳴りやまない。(全2回の1回目)■「おつかれさまでした」。 -
「日本人は『人に迷惑をかけない』を優先します」フランス出身女性・佐々木イザベルさんが日本での就職を選んだ理由
2023/11/05 06:00ルネサンス期を代表する画家・ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』。愛の女神の誕生シーンを描いた歴史に残る名作だが、大きなホタテ貝とともに描かれており、ホタテ貝は豊穣の象徴だという。自然や心の豊かさを求めて、フランスから日本にやってきた佐々木イザベルさん(43)。東日本大震災がきっかけとなり、岩手県大船渡市に移住した彼女は、この地で思いがけず“愛”とも出会うことになったーー。真っ青な海面は、ゆらめく -
大船渡市の復興と地域活性化に励むフランス出身女性 あの人気タレントも見届けた「ホタテ漁師からの求婚」
2023/11/05 06:00【前編】「日本人は『人に迷惑をかけない』を優先します」フランス出身女性・佐々木イザベルさんが日本での就職を選んだ理由より続くルネサンス期を代表する画家・ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』。愛の女神の誕生シーンを描いた歴史に残る名作だが、大きなホタテ貝とともに描かれており、ホタテ貝は豊穣の象徴だという。自然や心の豊かさを求めて、フランスから日本にやってきた佐々木イザベルさん(43)。東日本大震災が -
作家・渡辺一枝さん「3.11後の福島で見た『ふるさと』の喪失」
2022/03/11 11:00「昔はなぁ、とおちゃんがいで、かあちゃんがいで、となり近所のじいちゃん、ばあちゃんがいで。私らは、小ちゃいうちから、そういう人たちに育ててもらったんだ。なんぼ貧しくたって歩んでいける。ここの厳しい自然が、それを教えでくれたんだ」飯舘村(福島県相馬郡)に住む菅野榮子さん(84)は、どこか懐かしい方言で、幼い日の暮らしを語っていた。傍らで、「そうよね、そうよね」と、真摯に耳を傾けるのは、作家の渡辺一枝 -
夫・椎名誠も舌を巻く“冒険家”で作家の渡辺一枝さん「チベットの鳥葬に父の最期を重ねて」
2022/03/11 11:00「“一枝”と書いて“いちえ”と読むんです。ハルビンで戦死した父が付けてくれた唯一の形見です。私らしい名前でしょう」そう言ってほほ笑む作家の渡辺一枝さん(77)。同じく作家で冒険家でもある椎名誠さんの妻でもある。「おっかあ(妻)は僕よりすごい」と、椎名さんも太鼓判を押す冒険家で、旧・満州やモンゴル、チベットなどへ旅を重ね、その体験を綴った書を何冊も出版してきた。一枝さん。知り合いはみんな、親しみを込 -
3.11から10年。生島ヒロシ振り返る母の遺骨と妹を津波に奪われた日
2021/03/11 06:00「そうですね、もう、あの日から10年になるんですよねぇ……。でも、妹が夢枕に立ったことは、残念ながらこの10年間、一度もないんです。だがら、きっと天国でおふくろたちと、幸せに暮らしてるんじゃないですかね。そう思うようにしているんです」テレビやラジオの番組では常に元気いっぱい、決して笑みを絶やすことのない人が、少ししんみりとした表情を浮かべていた。生島ヒロシさん(70)。元TBSの人気アナウンサーで -
宝来館女将 亡くなった従業員の分も「生きっぺし」W杯誘致へ
2019/03/11 11:00「釜石鵜住居復興スタジアム」は、自然と調和する美しい競技場だ。目の前に大槌湾、メインスタンド後方には、深い森がある。昨年8月に完成したこのスタジアムで今年9月25日、「ラグビーW杯2019」が開催される。8年前の東日本大震災で、ここ、鵜住居地区は、巨大な津波に襲われた。地区の根浜海岸に立つ浜べの料理旅館「宝来館」も2階まで津波にさらわれ、女将の岩崎昭子さん(62)も一度は津波にのまれている。地区の -
ラグビーW杯を釜石に連れてきた旅館女将の願い
2019/03/11 06:00「釜石鵜住居復興スタジアム」は、自然と調和する美しい競技場だ。目の前に大槌湾、メインスタンド後方には、深い森がある。昨年8月に完成したこのスタジアムで今年9月25日、「ラグビーW杯2019」が開催される。青々とした芝生が柔らかい日差しを受けて輝き、浜から吹く心地よい風に乗って、トンビが地面スレスレに飛んでいった。そこへ1台の軽トラックが到着。浜べの料理旅館「宝来館」の女将、岩崎昭子さん(62)の軽