1月10日未明。芯まで冷える寒空のなか、弁護士に付き添われた女性が大崎警察署に出頭した。彼女の名前は、斎藤明美(49)。昨年大晦日に出頭したオウム真理教元幹部・平田信容疑者(46)を匿い、17年もの間、ともに逃げ続けた女性だった。

福島県須賀川市郊外の、のどかな住宅地に斎藤容疑者の実家はある。長年地元の製造会社に勤務してきた父と真面目な母・弟の4人家族。今も両親は住んでいるが、玄関には男性の文字で『取材お断り』『病者が居るため戸を叩かないでください』の張り紙があった。

「小さいころから、彼女はスラーッと背が高くて美人でしたね。勉強もよくできたから地元じゃ一番の女子高に行きました。卒業してからは東京の看護学校に入ってね。自慢の娘だと、ご両親もとても喜んでいたんですよ」(近所の住民)

両親は斎藤容疑者が、“将来、どこの大学病院に勤務するんだろう?”と行く末を楽しみにしていたという。女子高時代の同級生もまた、彼女のことをよく覚えていた。

「高校時代は剣道部に所属していました。教室がうるさくても、いつもニコニコしているといった感じのコでした。あれだけ純粋で優しい人だから、騙されてしまったのかもしれないと思いました。人に頼まれると断れない性格でしたから」

家族も故郷も名前すら捨て、愛する男との逃避行を続けた17年間。彼女は出頭する際、弁護士に『偽りの人生は終わりにします』と語っている。

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