「もともとは体育会系でソフトボール部だったんで、男の子みたいな髪形だったんです。私は地味でキャラもないし、目立たなかったので、パッと見て印象づくような髪形にしたいなと思っていました」
そう話すのは、現在テレビに引っ張りだこのガンバレルーヤのまひるさん(24)。広辞苑によると“御河童”とは、“前髪を切り下げ、後髪を襟元で切りそろえた少女向きの断髪”。文字どおり、妖怪の河童に似ていることから、こう呼ばれるように。
いま、ブルゾンちえみさん(27)をはじめ、ハリセンボンの近藤春菜さん(34)、おかずクラブのオカリナさん(33)など、おかっぱ頭の芸人をテレビで見ない日はない。なぜ、おかっぱは愛されるのか。“おかっぱ芸人”に話を聞いた。
まひるさんが、パッと見て印象づくような髪形にしたいなと思ったとき、真っ先におもいついたのが“おかっぱ”だった。
「雨上がり決死隊の蛍原(徹)さんや、バナナマンの日村(勇紀)さんといえば、おかっぱというイメージがあるじゃないですか。だから私も、“まひるといえばこの髪形”となればいいなと思って、前髪をぱつんとそろえてみました。そうすることで、自分は芸人だと、思えるようになったんです」(まひるさん)
現在芸歴6年目のまひるさん。おかっぱ歴は5年目になる。だが、本誌の取材の直前まで、微妙に髪の毛を伸ばしていたという。
「安い1,000円くらいのところで散髪しているんですが、頼んでいないのにイジリー岡田さんくらい短く刈られちゃうこともあって、恥ずかしいからボブくらいまで伸ばしていたんですけど。実は私、ガリットチュウの熊谷(岳大)さんが好きなんです。この前、ライブで一緒になったとき、熊谷さんがぜんぜん目を見てくれないし、いつもと違っていて。それを周りの芸人さんに相談したら、『まひるが髪の毛を伸ばしちゃうと芸人じゃなく女として見ちゃうから、どうしたらいいのかわからないんだよ』と言われて、切りました。やはり、女を出している場合じゃないですから」(まひるさん)
女心を捨ててまで、芸人としておかっぱを選んだのだ。在京キー局でバラエティ番組を手掛けるプロデューサーは、芸人の“おかっぱ”について次のように語る。
「多くのおかっぱ芸人さんの活躍で“おかっぱ”という髪形は、『この人は芸人だ』という“コード”の役割を持つようになりました。野球選手にとって、ユニホームのような役割でしょうか。だが、今の時代はもうそれだけでは差別化できない。ブルゾンちえみはあの独特のメークがあるし、安藤なつはあの体形がある。ガンバレルーヤのまひるはおかっぱに加えて、ほっぺの真っ赤なチークがアクセントになっています。そもそも、持っている芸が秀でているからこそ、“コード”は役に立つ。あくまでも“おかっぱ”は付加価値なんです」