「今年の8月、キウイの名産地ニュージーランドのオタゴ大学より『1日2個のキウイを食べると憂鬱感が軽減し、やる気も上がる」という研究結果が報告されました。これは豊富に含まれるビタミンCが、脳内のさまざまな神経化学物質の働きを活発にしているためではないか、ということです」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第1人者・小林弘幸先生。人は、日照時間が短くなると自律神経が乱れて、意欲低下や気分の落ち込みが現れやすくなる。日がどんどん短くなるこの時期、キウイは「季節性うつ病」対策の頼もしい味方になりそう。キウイはさまざまな栄養素にあふれた「スーパーフルーツ」なのだ。

 

「まずビタミンC。18〜69歳の女性が1日に必要な量は100ミリグラムですが、キウイ1個でその7割近くのビタミンCが取れます。ビタミンCはとくに血液など水分の多いところで活躍し、活性酸素を抑制。鉄の酸化を防ぎ吸収もよくするので、造血効果もあります」

 

おなじビタミンでは、ビタミンEもみかん3個分と豊富に含まれているそうだ。

 

「こちらは末梢の血管を広げ、血流をよくするほか、やはり抗酸化力の高さが魅力。ビタミンCとの相乗効果で、動脈硬化を予防します。ほかにも血圧を正常にするカリウム、赤血球の形成を助ける葉酸も。クエン酸やリンゴ酸、キナ酸といった有機酸も含まれており、これらは貧血予防や疲労回復に役立ちます」

 

メンタル不調の解消にも、血流アップのためにも、1日2個が理想とのこと。キウイといえば、おなじみグリーンのものと、近年見かけるようになったゴールドのものがあるが。

 

「よりビタミンCが多いのはゴールドキウイ。反対にグリーンキウイには不溶性と水溶性の食物繊維が、ゴールドより多く含まれているので、便秘が気になる方はこちらがおすすめです」

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