「口呼吸は、風邪や慢性疲労から、アレルギー性鼻炎、花粉症などの免疫疾患から、うつ病、がんなどあらゆる病気の要因となる、まさに万病のもとだといえます」

 

こう語るのは『顔と口腔の医学』西原研究所所長の西原克成先生だ。最近、日本の子供に口呼吸が増えているといわれている。その理由を教えてくれた。

 

「日本人に口呼吸が多い理由は、離乳食が早すぎて口呼吸の癖が形成されることです。WHOでは2歳半まで母乳をすすめていますが、日本では5カ月くらいから離乳食を推奨しています。しかし2歳半まではお乳を吸うための歯なので無理やり食べさせれば十分に咀嚼できず、丸飲みするしかないので必然的に口呼吸になります」

 

口呼吸の癖をつけないために、ほとんどの先進国では3〜4歳までおしゃぶりをさせているという。日本では1歳ぐらいでおしゃぶりをやめるのが通例だ。

 

「おしゃぶりに関してはいろいろな意見がありますが、4〜5歳までちゃんと使えば、歯並びもきれいになり、歯列矯正の必要もなくなるでしょう。口呼吸の習慣を直すには、食事中は口をきちっと閉じ、クチャクチャ音を立てないよう、鼻で呼吸しながらゆっくりよくかむように教えることです。呼吸法や寝相も大切です」

 

子供の口呼吸は、歯並びが悪くなり、便秘、冷え性、頭痛などの症状も。大人なら、肌荒れ、しみ、しわ、むくみなど美容にも大きな影響が出てくるという。鼻呼吸は酸素が体の中にたくさんとり入れられるので、脳の働きもよくなり頭がスッキリして、健康増進にもつながるそうだ。

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