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「アスリートと『食』について、興味深い研究が行われています。スポーツ選手の腸内細菌を調べて、成績をアップさせる研究を岡山大学などがはじめました。研究を主導する森田英利教授は、アスリートの腸内環境に着目。リオ五輪代表候補の陸上、サッカーなどの日本のトップアスリートの便を調査し、一般の人にはない腸内細菌、いわゆる“アスリート菌”の研究をしています」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。“アスリート菌”の存在は海外でも実証されている。アイルランド・コーク大学の研究チームによると、プロラグビー選手と一般人を比較したところ、ラグビー選手の腸内細菌の種類は、一般人よりも2倍多かったという。

 

「腸内に数十兆個あるともいわれる細菌は病気や免疫力など人の健康に大きな影響を与えます。その鍵を握るのが菌の集合体、腸内フローラの多様性です。今後の研究で、疲労回復に関係する菌や、どんなときでもパフォーマンスを高められる腸内細菌の内容がより詳しく明らかにされるでしょう」

 

では、私たちの体に、どうすれば“アスリート菌”がすみ付いてくれるのか−−。

 

「一流のアスリートたちが、贅沢で高価なものを食べているわけではありません。管理栄養士がしっかりサポートしている選手もなかにはいますが、多くのアスリートたちは、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラルとビタミンがバランスのよい食事を1日3回食べていることです。そこに付け加えるなら納豆や漬け物、ヨーグルトなどの発酵食品を1日に何種類か取るとともに、野菜、穀物、豆類など、食物繊維が豊富な食材をしっかり食べていることぐらいです」

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