年末年始の食生活がシミ・シワ・たるみを増やす
「正月の生活習慣は体を糖化させるもと!糖化は老化に直結し悪影響を与えます」と語るのは、同志社大学・糖化ストレス研究センターの八木雅之先生。酸化が体を老けさせることは知られているが、近年、糖化も老化の危険因子と判明したのだ。八木先生は続ける。
「糖化とは、糖分がタンパク質を茶色に変色させ、最終的にAGEsという化合物を作ることを指します。体にとっては悪影響ばかりです」
人間の糖化は、食事で摂取した余分な糖が、血液にのって全身を巡ることで引き起こされる。人間の体はタンパク質でできているので、全身で糖化は発生するという。では、糖化が引き起こす悪影響とはいったいどういうものなのか?
八木先生は次のことを上げる。
【1】肌の老化
「糖化により、肌のたるみを引き起こし、皮膚は茶色くコゲたようにくすみます。また、糖化が進んだ肌は、紫外線を浴びるとさらにAGEsが生成され悪循環を招きます」
【2】骨粗しょう症・動脈硬化
「糖化はコラーゲンの弾力性も低下させるので、骨はしなやかさを失い骨折しやすい状態に陥ります。コラーゲンは全身にあるので、腎臓や大動脈の機能低下にも繋がり、AGEsが血管内に溜まると、動脈硬化のリスクが高まります」
【3】アルツハイマー病・糖尿病
AGEsはアルツハイマー病のもとになる、脳内の老人斑の形成に関与しているともいわれている。また、糖尿病も糖化が引き起こした弊害の一つ。日本人はインスリンの分泌能力が低く、倹約遺伝子を持っているため体に糖質を溜めやすいという。
食べすぎ、飲みすぎ、運動不足と三拍子そろった年始のライフスタイルは、余分な糖をいつも以上に摂取しがち。新年早々、糖化を加速させないよう注意が必要だ。